各賞紹介

宮本佳世乃(みやもと かよの)


(本名同じ)
・昭和49年1月20日、東京都生まれ。東京都在住。
・平成14年(2002)「炎環」で俳句をはじめる。18年「炎環新人賞」、27年「炎環賞」を受賞。
・「豆の木」(16年)「オルガン」(27年)に参加。
・句集に、『鳥飛ぶ仕組み』。現代俳句協会会員。
 
 
 「ぽつねんと」   宮本佳世乃
 
古代より来し青鷺の部屋の前
うすばかげろふおとうとの肺に棲む
こゑ新しくあぢさゐに閉ざさるる
しやつくりの止まらぬ町の合歓の花
湧いてくる闇武蔵五日市のダリア
蜥蜴一本かほより岩へ入る
山藤にすこし遅れてくもりの日
くちなはに枝の綻びつつまはる
飛ぶ石と雲の間を河鹿鳴く
ぴちぴちと水引草の戦ぐ音
瓶を持つ手のふたたびの霧の中
つづれさせ天金の書のめくれたる
手を当てるとき数学はからすうり
十六夜の髪にこぼるる鋏かな
秋冷のどかりと停まるちんどん屋
真向ひの野菊の枯れて一枚に
遊びたる鶴うつりたる自動ドア
ふくろふのまんなかに木の虚のある
くちぶえのけむりとなりぬ冬木の芽
バス停にゐる軽さうな雪だるま
霜柱だれかれの死なないひかり
雪晴や器械から音楽の出て
ふれてみし冬の泉の割れて櫛
春浅し抛りたる火のまはりだす
古墳に登りさへづりと愛でてをり
金網のおほかた錆びてかひやぐら
さつきから三羽さんかく鳥の恋
ゆふがたを紋白蝶の溜まる息
眼はひばり教はり雲雀好きになる
ぽつねんと空うぐひすとすすむ沼
 
 
 
※句は現代俳句データベースに収録されています。
※受賞者略歴は掲載時点のものです。