講評
(小中学生の部)
梅の花が満開になりました。外はまだまだ寒い風が吹いていますが、春はやっぱりやってきましたね。皆さんの中には卒業をされる方もいらっしゃるでしょう。このように季節にはいろいろな行事がありますが、素晴らしい日本の四季を大切にして、これからも俳句を作り続けていただきたいと思います。
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11ちょうこく刀 ゴリゴリ 雪が降ってきたねこ空
「ちょうこく刀」ですから、版画でしょうか?それとも何かの像を彫っているのでしょうか。ゴリゴリという擬音(ぎおん)のひびきが気持ちいいですね。中七から下五にかけての「雪が降ってきた」と書かれたことで、夢中になってやっていた時間の経過が分かりますね。上手な俳句だと思いました。
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20左義長へ丸めた習字を投げ入れる      ふうじんらいじん
習字の練習をしていて失敗作ばかり出来てしまう。そんな時は丸めて左義長(どんどやき)に投げ込みたい気持ち!良く分かります。けれど「習字ーーは書き方を習うこと」ですね。ですから反故(ほご・・・書き損じた不用の紙)という言葉もあるので、失敗してしまった用紙が出てくるような言葉に代えてみると、更に良い作品になるようなきがします。
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21ジュウシマツかごから出れば冬の色5たろう
ジュウシマツはお姉さん勉強不足ですが、シジュウカラともちがうのでしょうか。かごから出してみたら「冬の色」みたい!と感じた発見があります。いままで可愛いと思ってみていただけの小鳥が、胸元が白かったり、羽が黒いのに改めてきがついたのでしょうね。これからもいろいろ観察して俳句を作ってください。
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30ぞうきんぬう ストーブぼそぼそ音立てて青いちご
さほど気にならないストーブの音だけが聞こえるのですから、静かなお部屋なのですね。そこで「ぞうきんぬう」というのは、もちろん手縫いなのでしようね。お姉さんのころは「運針」といって宿題にも出されました。全体のようすが良く分かる作品です。
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34宿題すんだみかんでも食べようか5たろう
宿題がすんでほっとして手近にある「みかん」に手を伸ばした、その瞬間が俳句になりました。みかんの色と香りが伝わってくるようです。ここで、さりげなく「…でも食べようか」の「でも」がほっとした気持ちが良く出ていて良い句だなー。と感じました。
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12冬の星 俳句が一つ出来ましたミッキーキャット
空気がすんでいるせいか特に「冬の星」はきれいですね。高いところにある季語をぽんとおいて「俳句が一つ出来ました」とすっきりと置く、冬の星と「一つ」がひびきあってとても良い作品になりました。