講評
(小中学生の部)
いよいよ今年も最後の月になりました。風邪が流行っているようです。風邪は寒い思いをしたからではなくて、体調が悪いときに人混みなどで風邪の原因である「ウイルス」に感染してしまうからだそうです。予防としては、よく食べて運動をして、外から帰ったら「手洗い・うがい」などを心がけると、風邪にかかりにくいそうですよ。元気で楽しくクリスマスを迎えましょうね。では講評をさせていただきます。
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10小物ずくりの糸からまった秋の昼5たろう
「小物ずくり」とは何を作っているのでしょう。ぬいぐるみかしら、それとも…。と考えるだけで楽しくなります。「糸からまった」そうですね。なかなか元に戻すのがとても大変!そのときの困った顔まで浮かんでくるようです。それが日の短くなった「秋の昼」だったことで、よけい思いが広がります。
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3とびばこに失敗雷なりひびくアンドロメダ
とびばこから離れて「今度こそ!」と力いっぱい跳んだのに「失敗」してしまった。きっとがっかりしたのでしょうね。そんな時のがーんとした気持ちを素直に「「雷なりひびく」と表現したのですね。お姉さんも出来なかったので、そんな気持ち良く分かります。季語に「雷」を持ってきたところが上手だと思いました。
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4ふわふわと こたつの中で 良い夢を一夜一夢
こたつの中だったら「ぽかぽか」と言ってしまうところですが、当たり前でない工夫「ふわふわ」としたところに感心しました。下五に「良い夢を」となるとお話がつづいてしまいます。俳句は一カ所で切らなければなりませんので、例として「眠くなる・夢の中」などと、考えてみてください。
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5秋の雲 マットの頭がくらくらするクレヨンしんちゃん
「マット」といえば、玄関や床などの敷物を思い浮かべますが、運動競技用の厚いマットのことでしょうか。そこに仰向けになっていつまでも「秋の雲を見ていたら、頭がくらくら」してしまったのかも知れませんね。そう言えば秋は空気が澄んで空がよけい広く感じますね。この作品は「が」をとって「秋の雲マットの頭くらくらす」と五七五ですっきりさせると、更に良くなると思いました。
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6キンモクセイが散った 一輪車は一人ぼっちプーさん大好き
キンモクセイは香りが良いだけに散った後はさびしいですね。一輪車に乗っていたけどお友達がいなかったの。そうなんでしょうけど俳句は片方で寂しいことを言ったら、片方は明るく作りましょう。例えばキンモクセイを咲いていることにして「キンモクセイ一人ぼっちの一輪車」として見ましょうか。
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2白い息 落ち葉が心を 温めるメロンペロ
落ち葉を踏んだときのあの「さくさく」した音は気持ちがいいですね。つい楽しくなってうきうきしてしまうほどです。そんな弾むような気持ちを「「心を温める」と詠んだのですね。良くできていますが上五の「白い息」は、寒くなると息が白くなる冬の季語で「白息」があります。そこがもったいないのです。上五だけ代えたら良い作品になると感じました。
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12フラフープすぐ落ちちゃうよ 秋の風青いちご
フラフープは、直径1メートルほどの輪の中に入って腰などを振って回転させて遊ぶ用具ですね。まだ始めたばかりなのでしょう。「すぐ落ちちゃうよ」という言葉に実感があり、まるでそばで見ているような気持ちになります。「秋の風」のさり気ない季語がとてもいいですね。
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7山の中紅葉見れずに友帰るおばけのQ太郎
紅葉狩りにお友達と楽しく出かけたのに、途中でお友達が帰ることになってしまった。それが「見れずに」ですね。具合でも悪くなってしまったのでしょうか。心配になった作品でした。