講評
(小中学生の部)
こんにちは!、10月号の講評がおそくなってごめんなさーい。いよいよ秋本番。読書の秋、そして行楽の秋ですね。お姉さんも秋を探しに行ってきましたよ。旅はいろいろな出会いがあって、新鮮ですね。リフレッシュしてきましたので、さっそくみなさんの作品で勉強をさせていただきます。
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9白い闇 ひらりひらりと 蝶が舞う一夜一夢
いきなり「白い闇?」え!ってあわててしまいましたが、昼間でも木の茂ったところとか暗く感じるところがありますね。そこで白い蝶がひらひらしていたのかも知れませんね。それを「白い闇」ととらえたのでしょうか。それとも夢の中の出来事かな?
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7カリカリとえさ食べるネコ さんま焼くプーさん大好き
さんまを焼いていて、残りを猫にも分けてあげたらきっとカリカリと美味しそうに食べてくれるかな、って思ったのでしょうか。「カリカリ」という擬態語(ぎたいご)が明るいですね。さんまを焼くけむりまで見えてくるようです。
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8また負けたしょうぎ 静かな敬老日  たけひろ
この作品から、きっと気持ちのやさしいお友達だと感じました。おじいちゃんとしょうぎをやっていて「負けちゃった!」。けれど残念がってはいないのです。何回やっても勝てないけど、強いおじいちゃんが大好きなのですね。「静かな敬老日」からたくさんの思いが伝わってきます。
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3一輪車ぐるぐるまわる 秋の風メロン大好き
一輪車はまっすぐに走るより、ぐるぐる回って楽しむ自転車のようですね。がんばって乗れるようになった嬉しさで「秋の風」を感じたのですね。とても良い作品になりました。
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14秋の風 ドとレの出ない笛ぬぐう青いちご
ピアニカとかハーモニカを練習したときのことを思い出しました。それが笛なんですからきっと難しいのでしょうね。笛をぬぐいながら一生懸命に練習しているようすが見えるようです。ドレミ、ドレミと聞こえてきます。秋風を感じながら「がんばって!」と思わず声をかけたくなりました。
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15さかあがりできないほほには秋の風スパイダーマン2スパイダーマン3
さかあがりが出来るまでがんばっているのですね。なにごとも辛いことを頑張れば出来たときの喜びが大きいのです。中七の「できないほほには」の字余りが気になります。「は」は、ない方が良いように思います。「さかあがりできないほほに秋の風」でほてったほほに秋風を感じます。
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16秋のセミ 漢字がすらすら書けましたメロン大好き
上手な俳句で感心しました。「漢字がすらすら書けました」といううれしい思いと「秋のセミ」がひびきあって、それでいてすっきりとした作品になっています。実感があることも大変良いと思います。気になるところは「セミ」は漢字で「蝉」と書いたほうがもっと良くなるように思いました。
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1はり絵展 ちょうは今にも飛び立ちそうクレヨンしんちゃん
はり絵は色紙とか和紙などで作るのですね。絵を描くよりもむずかしそうですが、その絵を見ていて「ちょうは今にも飛び立ちそう」と観察したのですから、はり絵の作者はどんなにうれしいことでしょう。思いを素直に作品にしたところが良かったと思います。
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4教室のカーテンひらひら 秋の風きかんしゃトーマス
勉強中にちょっとよそ見をしたら、教室のカーテンがゆれていたのですね。それで「ああ、あんなに暑かったのに秋になった」と感じたのでしょう。授業中のほっとした時間を感じます。
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18出番近づく音読集会足ふるえるリボーンツナ
「音読集会」というのは授業の始まる前にみんなで本を読む会でしょうか。前の人が終わって次は自分の番だと思うとドキドキしてしまう。そういえばお姉さんも同じ思いをしたことがあります。俳句は良く分かるように作ることも大事ですが、分かりすぎることもさけなければなりません。「足ふるえる」まで言ってしまわないで別のことをいう、例えば「出番近づく音読集会秋の○○」などと、いろいろ工夫してみてください。