講評
(小中学生の部)
「ああ、良かった!」9月号の講評のためにネット句会のページに入ると今回は投句数が増えていたので、お姉さんはとてもうれしかったです。ひとり一人の俳号を読みながら「どんなお友達かな?」ってわくわくしています。これからも俳句をいっぱい作って投句してくださいね。楽しみにしています。
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4「久しぶり」声かけ合って 新学期ミッキーキャット
夏休みが終わって登校するとみんな日に焼けて真っ黒。お互いに「何処に行ってきたの?」と話が弾みます。学校では何時も一緒で夏休みの間だけ会わなかっただけなのに、なぜかとってもなつかしく感じますね。そのときのようすが良く表現されていると思いました。あちこちから駆け寄ってくるお友達の息づかいまで伝わってくるようです。
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7台風を 願い続けた 運動会一夜一夢
「あれ!」この句ではお姉さん少し心配してしまいました。運動会だったら普通は台風が来ないように願うでしょ。風邪を引いてしまったのかな?、そんな時はもう少し先に延びたらいいのに、と思ってしまうかも知れません。それとも「台風を巻き起こす」元気がほしいな!、頑張るぞーってことかもね。
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15鳴くときは羽を広げて からすの子レモンチビ
からすの子は、高い樹に巣を作って産卵し、60日間くらい雛を育てます。夏には、子鴉が地面に降り立ち、親鳥と一緒に尻を振って歩く姿を見かけます。と、歳時記にありました。親鳥の後を一生懸命追いかけているのでしょう。よく見て俳句にしましたね。この句の「鳴くときは羽を広げて」という発見に感心しました。
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20着衣泳 服がこんなに重いとは水上ゲンタ
着衣のまま泳いでいて水から上がると「重い」と感じますね。実感があってとても良い句だと思いました。俳句は物をよく見ることと、感じることが大事です。このように身の回りの「発見」を大切にして俳句を沢山作ってくださいね。
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1あく力計の針がピクピクつゆになるあらせ1しょうたあ
あく力計は力のいれ具合で値がでますから、せい一杯力をいれてにぎると「ピクピク」と動く感じがします。針の動きを良く見ていましたね。「ピクピク」は擬音(ぎおん)といいますが、この独自の擬音を使ってとても良い作品となりました。季語の「つゆ」は、ひらがなだと分かりにくいので、漢字で「梅雨」と書いた方が良く分かって、もっと良い俳句になると思いました。
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5けんびきょうをのぞく花粉がキラキラするアンドロメダ
けんびきょうは、ちがう世界をのぞいたような思いがします。きれいな花粉を見たのですね。でも、季語感が出ていないのがちょっと残念。花の名前などの季語を入れると思いがふくらんで伝わってきます。
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6水そうを洗っためだかがすいすいとふうじんらいじん
水そうを傷つけないように洗うのは大変なことです。一生懸命に洗って、めだかを放してやった。めだかが気持ちよさそうに泳いでいるのをみると、自分まで幸せな気持ちになったのでしょう。めだかと自分の気持ちが一体になって、明るい作品となりました。
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10すき間から 入るそよ風 秋の声メロンペロ
あんなに暑かったのに「秋だな!」って感じるひとときですね。情景は良く分かりますが「秋の声」ってどんな声、というあいまいな季語になってしまいますから、「すき間から入るそよ風秋の風」のほうが分かりやすいかな?。そんなことを思いました。