皆さんお元気ですか?講評の欄を空けてしまってすみませんでした。今月から、新しくお姉さん役を担当することになりました。名前は「りんどう」といいます。皆さんと一緒に俳句を勉強できることをとても楽しみにしています。沢山投句してくださいね。 今月は卒業の季語で作られていますね。とても良いことです。俳句は、「日記でもあり、その日のつぶやき」でもあるのです。次回はどんな作品に会えるか楽しみにしています。 では遅くなりましたが、3月の投句の中から選ばせていただきました。 |
句番号 | 作品 | 作者 |
18 | 父さんがキュッとネクタイ 卒業す | 川岸大地 |
この句の「キュッと」がいいですね。卒業の日はうれしい気持ちと、お友達と別れるさびしさと緊張感があります。付き添いで参加したお父さんの様子と、会場の張りつめた感じが伝わってきます。それとも大地君がネクタイを締めてもらったのかな?どちらにしても「卒業」の季語がよく効いた作品だと思いました。 |
|
句番号 | 作品 | 作者 |
13 | もう卒業 机の落書き消している | ブリーチとミスターフルスイング |
「♪いつのことだか思い出してごらん〜あんなこと、こんなこと、あったでしょう〜♪」と、思わずお姉さんは歌ってしまいましたが、そんな時々の思い出の「落書き」を消しながら、机に「長い間ありがとう」と、いっているのでしょうね。「卒業式」が近付く気持ちが良く出ていると感心した一句です。 |
|
句番号 | 作品 | 作者 |
16 | 校門の冷たさなでて卒業す | 小早川セナアイシールド21 |
卒業式を終えて帰るとき、ふと校門に触れたのですね。そのとき「あれ!冷たい」と感じた瞬間を見事に一句にしました。発見と実感があることで臨場感(そこにいるような感じ)が伝わります。これはとても大事なことです。思わず「上手い!」と声にだしてしまいました。卒業のうれしさと、淋しさと、ちょっぴり不安な気持ちが「冷たさ」の短い言葉に現れていますね。読み手に感動をあたえるのです。 |
|
句番号 | 作品 | 作者 |
10 | 卒業式だれかが鼻をすすってる | 林有理沙 |
その場の雰囲気がとても良く書けていると思いました。「鼻をすすって」は、「泣く」ことですから卒業式には付きものですね。情景が良く分かることは大事ですが、俳句は「分かりすぎてしまうことも」避けなければなりません。ここまで書けたら、言いたいことを季語から少し離す。→これを「つかず離れず」といいます。あとひと息ね。頑張れ!。 |
|
句番号 | 作品 | 作者 |
15 | 学生服を着る人形になったみたい | 茂野五郎 |
新品の「学生服」を着たときの感じを「人形になったみたい」と捉えています。実感があり、楽しい俳句です。そういえば「そんな感じがする」と思いました。この句は季語がありませんが、新入生の感じが出ていますので、やっぱり「春」で良いでしょう。下五は「なっている」と止めると、より実感が強くなるように思いました。 |
|