皆さん、こんにちは。お兄さんです。立春を過ぎたとはいえ、まだまだ寒いですね。これから三月、四月・・。まわりの空気が徐々に暖かくなっていく感じ、けっこういいものです。毎年恒例の楽しみのひとつです。「あたたかや鼻巻き上る象の芸　吉屋信子」
句番号	作品	作者
1	ベールマーク集め　寒い寒いと声とびかう	安田有佑実
学校設備品の購入や校外への援助のためのベルマーク集め、お兄さんも昔やりました。懐かしく思い出します。たくさん集めるとなると、けっこう大変な作業ですよね。寒さに負けずがんばる作者たち。うまく「ベルマーク」が活かされた健やかな一句です。お兄さんの「銅」。
句番号	作品	作者
8	ビーチバレーのかんとくの声　雨が消す	林莉那
ビーチバレーの試合中もしくは練習中に雨が降り出しました。監督の声もよく聞き取れないほどの激しい雨のようです。ともかくも一時中断・・。情景がしっかりと伝わってくる作品です。
句番号	作品	作者
9	ぼくじゅうをたっぷりつけた　少し寒い	長谷川舞
お習字の時間。たっぷりと墨汁をつけた筆先のふくよかさと、今にも墨汁のしずくがたれそうな緊張感。「少し寒い」というフレーズがぽんと置かれて、いい広がりが出てきました。お兄さんの「銅」。
句番号	作品	作者
11	メダカがすいすい　パソコンのスイッチ押す	山下里奈
パソコンを起動するとき独特のクリアな感覚を「メダカがすいすい」とはうまい表現です。楽しくて刺激的な、作者のパソコン生活がうかがえます。
句番号	作品	作者
16	電線には小鳥　人間にはストーブがある	柳瀬翔太
冬の一日、電線にたくさんの小鳥が止まっています。風にあおられて何とも寒そうです。「うちにはストーブがあってよかったな・・」と心からありがたく思うひと時。「人間にはストーブがある」という思い切った表現が面白い一句です。お兄さんの「銅」。
句番号	作品	作者
32	「さようなら」フワッと浮かんだ白い息	どんべい
「白い息」は冬の季語です。話すたびに白い息が出てくる、とても寒かった一日。でも「さようなら」を言った時の白い息が一番きれいで印象的だったな・・。作者の思いがきっちりと伝わる、詩情豊かな作品です。お兄さんの「銀」。
句番号	作品	作者
35	卓球のネットが切れた　寒くなる	山下里奈
くりかえされる白熱した試合の末に、とうとう切れてしまった卓球のネット。いかにも寒々とした景色をみごとつかまえました。お兄さんの「銅」。
句番号	作品	作者
37	ホッカイロ冷たくなってる　カラス鳴く	安田有佑実
「あれ、いつのまに・・」。冷たくなった使い捨てカイロはしみじみと寂しいものですよね。カラスの鳴き声が、その寂しさをさらに強めているかのようです。取り合わせがぴたりと決まった一句。お兄さんの「銅」。