講評
(小中学生の部)
皆さん、こんにちは。お兄さんです。今年も寒さの厳しい冬となりましたが、元気いっぱいに毎日を送っていますか? なかなか朝のベッドから出られないなんて人はいませんか? どうか「教室の寒く生徒ら笑はざり(森田峠)」なんていうことのないように・・。寒さに負けないで頑張りましょう。
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1耳が冷たい 古墳の上を走ってる森本壮胤
古墳探索の最中です。だだっ広い古墳の上を走り回っていると、冷たい空気が耳にはりつくようです。大昔の人たちも冬は苦手だったのかな・・。お兄さんの「銅」。
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8林檎がりさわっただけで落ちちゃったどんべい
楽しい林檎狩りの一日。存分に熟した美味しそうな林檎の実の様子が、「さわっただけで落ちちゃった」というフレーズからありありと見えてきます。お兄さんの「銅」。
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10枯れ葉舞う 呼び鈴の板強くたたく山下里奈
枯葉の季節、呼び鈴の板を思いっきりたたくと、澄んだ乾いた音が大きくこだましました。枯れ葉の景色の静けさが、よりいっそう際立ってきます。配合がうまく決まりました。お兄さんの「銅」。
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12大なわとびの百一回目 ころびそう山下里奈
大なわとび、みんなで頑張って百回を目指します。「やった!百回できた!」と喜び安心した次の百一回目で思わず転びそうになるという、微妙な感覚、心理がうまく表わされています。面白くて実感のある一句です。お兄さんの「銀」。
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13文化祭 太鼓のばちはどこいった森本壮胤
いろいろな人たち、いろいろな道具・用具が大活躍する文化祭。この作者は「太鼓のばち」に焦点を合わせることで、みごとに全体の盛り上がりあわただしさを表現しています。お兄さんの「銅」。
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22粉雪が降ったつもりでクリスマス輝湖
ホワイトクリスマスへの憧れでしょうか。「降ったつもりで」というフレーズが面白い一句です。楽しいクリスマスになりましたか?
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23ピンポン球コツン 明日は卒業旅行森本壮胤
卒業旅行の嬉しさ、わくわく感と、「ピンポン球コツン」の取り合わせに心ひかれました。四月からは離ればなれになる親友たち・・きっとその寂しさも「ピンポン球コツン」というフレーズには含まれているのでしょう。お兄さんの「銅」。
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36エプロンにきちんとアイロンもみじ照る山口瞳
いつも使っているエプロンに、今日は自分でしっかりとアイロンがけです。アイロンがけをしているうち、自分自身も折目正しい心持ちになってゆく・・。そんな作者に紅葉の色が何とも鮮やかに映えます。お兄さんの「銅」。