講評
(小中学生の部)
 夏休みが終わって、楽しい思い出をみんなで話しあっている頃でしょうか。9月になってもまだまだ暑い日が続いていますし、大型台風が来て、大変な地域もあるようですね。今月は数多くの出句があって嬉しいお姉さんです。
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1算数です 祭りの綿菓子思ってるどんべい
算数がきらいなんですね。私も算数大きらいでした。ついつい違うことを考えてしまうのもよく分かります。
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4宿題する テレビの中でもセミ鳴いてる長谷川舞
今年は暑かったせいか、蝉もよく鳴いていましたね。宿題はなかなかはかどらず、テレビをつけたらテレビの中でも蝉がうるさいほど鳴いていたんですね。いかにも「早く宿題しろー!」とせきたてられているみたいですね。良い句だと思いました。
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9筆箱に手紙一通 梅雨になる山下里奈
筆箱にしまっておく手紙、何か大切なものなのか、それとも親友からの手紙か、もしかしたら好きな人の手紙なのかもしれません。「梅雨になる」がよく効いています。
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14梅雨晴れ間 国旗のひもがほどけてる山下里奈
やっと梅雨の晴れ間がきて、青空を仰いだら、国旗の紐が解けてプランとなった旗が見えた。そういう雰囲気でしょうか。景をよく捕らえていて良い句です。
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22ビーチボールを拾いに走る 笛が鳴る林莉那
臨海学校の一風景でしょうか。そんな感じの一句だと思いました。みんなで遊んで、これからというときに、ピーと笛が鳴ると、がっかりしてしまいますよね。その感覚、判ります。
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26夏の海「海の子山の子集会」始まるよ山口瞳
「海の子山の子集会」がいいですね。賑やかそうで、活気に満ちている夏の海岸が想像できます。
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46宿題する 青い柿の実また落ちたラン
宿題するのは、いつもイヤですね。なんとなく鉛筆を動かしてはみるものの、すぐに飽きてしまって、庭に目をやると、まだ青い柿の実があって、ポトンとおちた、アッまた落ちた。時間ばかりが経つ情景。
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55せみしぐれ 宿題何からしましょうか長谷川舞
今回は夏休みとあって、宿題の句が多かったのですが、これは一体どんな情景なのでしょう。夏休みがはじまってすぐの頃、「さて、どこから宿題をしようか」と思っているのか、それとも、夏休みの終わりになって焦って「ああ、どれからするのが早く終わるだろう」と思っているのでしょうか。なんだか後者の様に思えた一句でした。