講評
(小中学生の部)
皆さん、こんにちは。お兄さんです。お兄さんの感想のコーナーでは、とてもいい!とお兄さんが思った句には「金」「銀」「銅」のお点をつけています。もうこのコーナーが始まってから二年以上たちますが、実はまだ「金」が一回も出ていません。ぜひ「金」を目指してください! さらなる力作お待ちしています。
句番号作品作者
3薪割りの なたが抜けない はらが鳴く森本壮胤
キャンプ場で出来事でしょうか。はりきって食事の仕度をはじめましたが、薪を割ろうとして振り下ろした「なた」が抜けなくなってしまいました。どうやってもなたが外れない。もうみんなお腹ぺこぺこなのに・・。作者のあせりがうまく出ている一句です。
句番号作品作者
4二階からねむそうな父うぐいす鳴くどんべい
「二階からねむそうな父」という生活感あふれる描写と、うぐいすのきれいな鳴き声とが、上手につながりました。いきいきとした朝の一コマです。今日も一日頑張ろう!
句番号作品作者
14ねぶくろでねる雷がなる目がさめる林莉那
キャンプの夜、寝袋で寝ることになりました。川のせせらぎや動物たちの鳴き声、さまざまな物音がテントの中にまでよく聞こえてきます。と、いきなりけたたましい雷の音が! 思わず目を覚ます作者。キャンプ場独特の空気がこちらにもよく伝わってきます。お兄さんの「銅」。
句番号作品作者
28暑いから サルのはにわはあっち向く山下里奈
連日の暑さに、ほとほとまいっている作者。「サルのはにわはあっち向く」というフレーズがそんな作者のうんざりした心持ちをうまく表わしています。感覚の効いた一句です。ただ「暑いから」のあとの一字空けは不要では? お兄さんの「銀」。
句番号作品作者
37坊さんの衣にししゅう夏の風疋田ゆり
法事の日でしょうか。夏の風がお坊さんの衣をやわらかく揺らしました。暑い一日でも、しゃんとしているお坊さん。その衣にきれいな刺繍を見つけた作者。いい写生句です。お兄さんの「銅」。
句番号作品作者
42かっこうがよく鳴く 竹馬練習中山口瞳
竹馬の練習中、一生懸命歩をすすめる作者に、かっこうの澄んだ声がよりいっそう響いてくるようです。場の静けさ、うまく表れています。お兄さんの「銅」。
句番号作品作者
50あきかんをつぶす夕日をが真っ赤ですどんべい
最初「夕日をが」って何だ?と首をかしげました。あきかんをつぶす夕日「が」ですよね? 投句の際には、打ち込みミス等ないかどうか、確認きちんとお願いします。この句、「あきかんをつぶす」と「夕日が真っ赤です」との配合が、さびしさ、孤独感みたいなものをかもし出していてとても印象的でした。絵になる一句です。お兄さんの「銅」。