講評
(高校生の部)
高校生の時にしか作れない若さのきらめく句をいつでも待ってますよ。大人の句を真似するのではなく、若さの感性がはじける句が出来るはず!
句番号作品作者
1現実より一歩下がって三の酉源のび太
面白いね。その心の余裕が実は良い結果を招いたりするのだよな。三の酉だからこの句はいいのだよね。
句番号作品作者
2赤すぎる青春前期のシクラメン源のび太
その燃えるような赤の情熱が少しずつ薄らいで・・大人になっていくのかもしれない。シクラメンのゆかしさをいつまでも大切にしたいと思うけれど・・。
句番号作品作者
3消しゴムで消せない類句木枯しに源のび太
俳句における「類句」の問題は、古今東西消えないんだよね。それを「消しゴムで消せない」と表現したのが手柄だね。そこに木枯らしという季語が効果的に効いている。
句番号作品作者
4少し年とるこんな紅葉にかこまれて源のび太
いくつ頃から「年をとる」という意識をもつのだろうか。高校生の頃たしかにもう子供じゃないという悲哀を感じたことを思い出す。紅葉の林を万葉人たちは恐ろしくて入らなかったという。その美の中にある魔性を意識していたのかもしれない。
句番号作品作者
5愛しきへ落とす口づけしづり雪嘉悦蓮花
妙に色っぽいな。なんか大人のせつない愛を感じてしまう。「しづり雪」という季語があって余計に大人の感性の句に近い。
句番号作品作者
6この紅葉利休の庭にも散りたるか嘉悦蓮花
このパターンもよくあるんだよね。出来ればもっと若々しい独自性がほしい。せっかくいい感性をもっているのだから、若さをかんじさせる句を期待しているよ。
句番号作品作者
7紅の色深く染まりて蝶凍つる嘉悦蓮花
「紅の色」ってこの句ではなんなのだろう。読む者にまかせたのかもしれないけど・・・「蝶凍つる」もなぜか君たちの感性には不似合いのよな気がする。
句番号作品作者
8バイトに行くだれにも会わないクリスマス源のび太
これはこれで若々しさがかんじられて好きだな。ちょっと淋しいけれどそれでも明るさを失わない青春のきらめきをかんじさせる句だ。妙に背伸びをする句よりも惹かれるんだな。