講評
(小中学生の部)
 暑さもやっとひと段落。秋風らしい空気を感じるようになりましたね。みなさんの学校では、そろそろ運動会や文化祭などで忙しいのではないでしょうか。お姉さんはもっぱら読書。この前は「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」をやっと読み終わりました。本が重いので、寝ながらの読書は腕が疲れて出来ませんでした。さて俳句も頑張っていきましょう。
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1料理する母の背中が小さいぞどんべい
 お母さんの背中が小さいのは、疲れているからなのか、それとも作者が気が付いたらお母さんの身長を追い越して成長してしまったからなのか。どちらもあり得ますね。お母さんの背中が小さく見えたら、たまには家事も手伝ってあげて下さい。
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6くばり物地図広げたら暑くなる長谷川舞
 この「くばりもの」は何でしょうか地図というところを見ると、オリエンテーリングかなにかの地図なのでしょう。まだ暑さの残る中、地図を広げたとたんに歩く距離を見て暑さが増したのでしょうか。
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9自転車乗るヘルメットの中汗だらけ森本壮胤
 ヘルメットをつけて自転車に乗っているのは、学校への登下校時でしょうか。暑い夏はヘルメットはキツイですね。でも安全の為にまじめにヘルメットをかぶる君には、感心。
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10夏休み 明けて残るは 暑さと宿題妃瑠咲
 今年の夏は特に暑かったので、勉強なんてする気もなかったでしょうね。一日クーラー付けっぱなしなんて感じの日々でした。9月に入っても30度を越える日が何日もあって・・・たまには勉強をサボってもいいんじゃないなんてお姉さんは感じた夏でした。
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14ツクツクボウシ ラジオ体操最後の日安田有佑実
 つくつくぼうしは蝉の中でも一番最後に出てくる蝉です。にいにい蝉が一番、二番目が油蝉、みんみん蝉、ヒグラシと続き、夏の終わりを告げるのがツクツクボウシです。小学校の頃、ツクツクボウシが鳴きはじめたから、急いで宿題を終わらせたのを思い出しました。夏のラジオ体操の為に早起きするのもこれがやっと最後なんですね。
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11せみの声お墓に消しゴム入れましたどんべい
 これは何のお墓なのでしょう。人のお墓じゃないように思いました。多分可愛がっていたペットか何かのお墓じゃないでしょうか。自分の消しゴムをそっと入れて葬る、そんな感覚でしょうね。
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21泳げない弟 ゴーグルかけている川岸恵太
 泳げない弟が、それでも生意気にゴーグルだけは一人前につけてりる姿は、かわいらしくも滑稽にもおもいます。お姉さんかお兄さんがあたたく見守ってくれている様子のもよく伝わってきています。
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22墓そうじが終わったジュースをいきのみ山口瞳
 墓そうじが終わった「いっきのみ」でしょうね。お墓の草むしり、お姉さんもお彼岸・お盆やります。暑い中、結構大変なんですよね。でもご先祖様を大切にするのは良い事です。ジュース一気飲みして褒めてもらいましょう。
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25素振り百回 セミがちょっと鳴きやんだ澤田優也
 剣道の素振りでしょうか、それとも野球のバットの素振りでしょうか。頑張って鍛錬している中、その勢いに蝉も鳴きやんだのでしょう。情景の良く見える一句。今回のお姉さんの◎です。
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24朝顔はまだ咲きませんカラスの子山下里奈
 夏休み、朝顔の観察をお姉さんもしたことがあります。なかなか咲かないから、夏休みが終わってしまって、観察記録に花が描けなくて寂しい想いをした記憶です。下5の「カラスの子」が妙に空しさを表す感じでこれも◎の一句でした。