講評
(小中学生の部)
夏休みはどう過していましたか。楽しい思い出をたくさん作って、友達との話もはずんでいることと思います。お姉さんは、やっと夏バテから快方・・・です。もうすぐ学際もあるので、今、張り切ってイラストを描いています。
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5すくえない 赤い金魚は元気がいいラン
金魚すくいの一景ですね。欲しいと思う金魚はなかなか元気で取れないものです。屋台の金魚はすぐに死んでしまうものですが、意外に我が家では長く生きていました。十年以上も飼っていて、随分大きくなったのもいます。きっとこの赤い金魚もそんな元気な一匹なのでしょう。
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6やまびこを話し相手に自転車こぐ澤田優也
爽やかな山の空気が、こちらまで伝わってきます。とても良い句だと思います。自転車をこいでいるのはもちろん作者。一人でも仲間と一緒とでも、両方考えられますが、一人でこいでいると考える方が、ロマンチックかも・・・。
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10枝にかかった風船ゆれる 白い雲澤田優也
誰かがどこかで手を離してしまった風船。それが青空を背景にしているのが見えます。こういう情景が見える作品はいいですね。風船を手放してしまった人の、ちょっとした寂しさも感じられます。
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17太陽がころもがえする夕方どき輝湖
この一句はお姉さんのイチオシです。夕方、あたりが暗くなりかけている頃の太陽は、昼間よりも赤く見えますが、それを「ころもがえする」と表現したのには、ちょっとびっくりしました。作者の感性がうかがえる一句です。感心しました。
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19トマト食う しつこいセミを聞きながらラン
夏の暑い日に、冷たく冷やしたトマトを食べるのって、お姉さんは大好きです。でも、今年の夏はあまりにも暑くて・・・。蝉の鳴き声も「しつこい」と感じられてしまいました。情景がわかります。
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18病院のまちあいしつで宿題する山下里奈
病院の待合室は、退屈です。その間にする宿題。この人は、なんとなく寂しい夏休になってしまったのかなあと、感じました。
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22プールの底のデッキブラシの軽い音どんべい
プール開きの時の句でしょうね。今までのプールの水を全部抜いて掃除をして、それからの楽しみが「デッキブラシの軽い音」と表現されたのでしょう。二重丸をあげたい一句です。
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23風邪ひきだと見ている プールの水しぶき林莉那
プールに入りたいのに、見ているだけの子は、ただただ暑い。夏風邪はなかなか治らないので、さぞ残念だったのだろうなあと思います。早く風邪が治るといいですね。