講評
(小中学生の部)
七月に入り、いよいよ夏本番ですね。今から夏休みが待ち遠しい人もいるんじゃないでしょうか。出句の数も増えてきて、読んでいて楽しみな今回の作品でした。みなさんも出すだけではなく、選句をしてみてください。
句番号作品作者
6運動会の得点発表 ツバメ飛ぶ森本壮胤
運動会が終わって結果発表。勝っても負けても、力いっぱい頑張ったのだから、きっとみんな爽やかな顔。「ツバメ飛ぶ」が効いています。
句番号作品作者
8ヌルッとした田んぼ 足を引っ張るよ安田有佑実
田んぼに実際入ってみなくてはこの感覚はわかりませんね。どこまでも足が取られてしまうような、ちょっと怖い感覚もありますね。よく書けています。
句番号作品作者
11消しゴムがまだまよってるウグイス鳴く山下里奈
テストですね。イヤですね。時間いっぱいまで悩んで、結局出来ましたか?「ウグイス鳴く」と、最後に軽く言われてしまったのがあまり、深刻でなく良かったですね。
句番号作品作者
13みこしかつぐ 背中に「祭」の文字つけて川岸恵太
かついでいるのは、みこしだけではなく、「祭」そのものなんですね。賑わいや高揚感がよく表されている良い作品だったと思います。
句番号作品作者
17勉強会天候を聞く遠電話林莉那
「勉強会」と「天候を聞く遠電話」は、ちょっと違う次元の話のようですが、俳句的にはこのくらいの距離感は高等テクニックです。季節感がどこかに出ていると入選に出来たのですが。惜しいと思いました。
句番号作品作者
22明日は運動会 また天気予報を見る森本壮胤
運動会の前日、明日の天気を心配している作者の心情が、素直で好きですね。俳句もこんな感じに、素直な気持ちを書いてみることから始めてください。
句番号作品作者
30首が痛い ツバメのひなを数えてる森本壮胤
ツバメの子が気になって仕方がない作者の気持ちが可愛いです。一生懸命首を伸ばして巣の様子をうかがっているうちに、首が痛くなってしまった、こんな優しい気持ちを大切にして下さい。
句番号作品作者
32むしった草が山盛り ぐっとふんでみる森本壮胤
きっとたくさん草をむしったのでしょう。山になった草を見て、踏んでみたくなることってありますね。今日はこれだけ草刈をしたぞ、という達成感(?)もよく判ります。
句番号作品作者
32むしった草が山盛り ぐっとふんでみる森本壮胤
運動会のテントを張っている時の高揚感がよく伝わってきます。「顔が熱いぞ」と言いながら、実は、作者は、これから始まる運動会にワクワクしているんですね。良い作品です。
句番号作品作者
39苗の位置がばらばら学校の田植えです長谷川舞
いかにも「学校で植えた」田植えの田なんですね、これが。みんな慣れぬ手つきでやっと植えたのです。少々バラバラな苗の位置でも、植え終わると、なんとなく嬉しいですね。景がよく見えて、ほほえましいと思いました。