講評
(小中学生の部)
梅雨に入って、うっとうしい日々が続いていますね。でもジュニアネット句会への作品が少しずつ増えてうれしいお姉さんです。楽しい作品も今回はたくさんありました。春風の句がとっても多かったのですが、同じ季題を使っていても、それぞれの見方があって楽しめました。
句番号作品作者
7春の空には羊が何匹日なたぼこ澤田優也
のどかな雰囲気が出ていていいですね。「ひなたぼこ」が効いていると思います。
句番号作品作者
15みこしかつぐおすしの味が口にある山下里奈
みこしを担ぐ前に、おすしを食べたのでしょう。「おなかいっぱい食べて、さあ担ぐぞ」という意気込みですね。ワッショイワッショイの合間になんとなくさっき食べたおすしの味が残っているのがユーモラスです。
句番号作品作者
17教室はまちがうところちょうちょくる山下里奈
上手です。お姉さんの金賞作品です。蝶々の戸惑いと教室のみんなの表情もうかがえるし、「教室はまちがうところ」の言い切りに詩があります。素敵な一句。自分自身の途迷いもしっかりと出ていますね。こんな一句に出会うと嬉しくなります。
句番号作品作者
26金魚の赤ちゃん生まれた 数がわからない安田有佑実
金魚が卵を産んでいて、ある日突然ちっちゃな金魚がごちゃっと水槽にいた、なんて経験、お姉さんにもあります。無事に育てばいいのですが、なかなか難しいんですね。作者の「うわっ、どうしよう!」という表情がうかがえて面白い作品です。
句番号作品作者
23春の風ハードルとんだ足なでる林莉那
ハードルをとび終えてほっとした足に風があたった一瞬ですね。春風の心地よさをよく言い当てていると思いました。
句番号作品作者
30春の風小鳥が国旗と遊びたがるラン
春風を詠んだ句が多かったのですが、これも小鳥が対象になっていてかわいらしい一句になりました。こんな作品もいいですね。
句番号作品作者
33春の風竹馬八歩目でおちたどんべい
頑張って練習しているんでしょう。ちょっと油断したら竹馬も春風に揺らされて落ちてしまったのでしょう。これも実感があっていい句です。
句番号作品作者
40春の風クッキーみたいなにおいがするどんべい
春風の句のひとつですね。「クッキーみたいなにおいがする」春風って、なんだがとてもおいしそうですね。でも、春ってなんとなく空気がおいしく、かぐわしく感じるものですよね。自分なりの感覚でよく言い当てていると感心しました。