講評
(小中学生の部)
こんにちは、お兄さんです。梅雨時に入り、うっとうしい毎日が続いています。でも雨の日の街の様子や、庭のたたずまいなんかも、そう捨てたものじゃありません。お兄さんの家のまわりにも紫陽花がきれいに咲いています。紫陽花の末一色となりにけり 小林一茶の句です。
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7春の空には羊が何匹日なたぼこ澤田優也
春の雲のことを「羊」とは楽しい見立てです。作者のうきうきとした気分、おおらかな気持ちが伝わってきます。ただ「日なたぼこ」は冬の季語となっていますので注意が必要です。
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14春の風鼓笛の太鼓重たそうラン
何かのイベントの日でしょうか。目の前をにぎやかに鼓笛隊が通ります。あれ、あんな小さい子が大きな重そうな太鼓をかついで頑張っている。思わず心の中で声援をおくる作者。そんな作者の優しさと「春の風」とが、とても良い取り合わせです。
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15みこしかつぐおすしの味が口にある山下里奈
お昼ご飯に食べたおすし、すごくおいしかったな・・。午後からの子供みこしのスタート。みこしをかついでいる時間にも、おすしの味がなかなか忘れられない作者。確かにみこしをかついでいる時って、けっこういろんなことを考えたりしますよね。素直に共感できる一句です。
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26金魚の赤ちゃん生まれた 数がわからない安田有佑実
金魚が卵からかえり、たくさんの赤ちゃん金魚になりました。何匹生まれたのか数えたいのですが、赤ちゃん金魚たちがちょこまかと動くので、なかなかはかどりません。動きがはっきりと見えてくる楽しい句です。お兄さんの「銅」。
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30春の風小鳥が国旗と遊びたがるラン
いま世界にはいろいろな悲しい出来事が起こっています。国同士のみにくい争い、戦争・・。そんな中、作者は国旗とたわむれている小鳥を見つけました。その景色は何だか心があらわれるよう。作者の静かな思い、十分に伝わってきます。世界中がやわらかな春の風に包まれますように。。
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33春の風竹馬八歩目でおちたどんべい
竹馬の練習中です。何とか八歩まで歩けたけど残念・・落馬です。一生懸命な作者に春の風も応援するようにおだやかに吹いています。さあもうひとがんばり!
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40春の風クッキーみたいなにおいがするどんべい
今回は「春の風」の句に、たくさんいい句がありました。この句も「クッキーみたいなにおい」というフレーズでうまく春らしさを描いています。甘くふんわりとした匂いと春の風。感覚的にとてもよくわかります。お兄さんの「銅」。