講評
(小中学生の部)
こにちわ。3月に入ってからまた寒くなってしまったこの頃ですが、最後の学期です。投句も選句もみんなヨロシクね。
句番号作品作者
6スキーぐつピシャッとはまった いい天気寺本侑生
今回はスキーのことを詠んだ句がとっても多かったのですが、スキー合宿でもあったのでしょうか。この句はゲレンデで詠んだものでしょうが、「ピシャッ」という音がこれから滑るぞーという意気込みを著わしていてとってもいいと思います。「いい天気」も気持ちの良さとして、とってもよく効いています。お姉さんのイチオシ。
句番号作品作者
7雪だるま みかんの口が笑い出す荻野泰葉
雪だるまを、いろいろなもので表情をつけて作っているのですが、口にはみかんを使ったんですね。(口にみかんってあんまり無いような気もするんですが)思わず笑ってしまったのは、作者の方でしょう。
句番号作品作者
9禁煙の父のお土産しゃぼんだまコナン
お父さん、禁煙したんですね。エライ!タバコの代わりにシャボン玉を土産にした、なんて、ウイットに富んだステキなお父さんだと思います。お姉さんは、パパ大好きなので、余計にステキなお父さんの姿が浮かびました。
句番号作品作者
11弟の生れるさわぎ三が日葵大地
お正月に弟さんが産まれたんですね。ただですら賑やかなお正月なのに、赤ちゃんの声までひときわ大きく明るく聞こえてきそうです。家族の賑わいがよく分かります。
句番号作品作者
16先生はどこ スキー場は広すぎる放生有矢
スキー場で迷子になってパニックになったことのあるお姉さんとしては、この一句は、人事ではありません。滑ることに夢中になって、やっとスキー板に足が慣れてホッとした時、気付くと回りに知って人が誰もいない。ひたすら人と雪との広がるスキー場で呆然としている作者に同感です。
句番号作品作者
24手のひらが熱いぞ かゆいぞ 雪をかく森本恒
雪遊びの楽しさや景を詠んだ句はたくさんありましたが、触感を詠んだ句はあんまり見ません。これは実感として、だんだん手のひらが熱かゆくなってゆくことを素直に詠んでいます。いい句ですね。
句番号作品作者
31春探す学校までの塀つづくコナン
ただ春が待ち遠しいのではなく、受験生には本当に待ち遠しい「春」ですよね。「学校までの塀」は、長く長く続いているような錯覚さえします。早く暖かい季節になればいいですね。「春探す」と「学校までの塀つづく」がとってもよく唱和しています。
句番号作品作者
43雪にねる 大の字うまくできました寺本侑生
この「大の字」は、絶対、新雪の誰も足跡をつけていない雪の上でしょう!「大の字うまくできました」で、作者が新しい雪の上にバタッと倒れてみる嬉しさも著わしていますね。上手だと思いますヨ。
句番号作品作者
45スキー場の風だ 顔が熱くなる杉本智
「スキー場の風だ」と「顔が熱くなる」の間に空白の一呼吸。この一字空けが、この場合、とっても効いているんです。これが一字空けの効果です。「スキー場の風だ」と興奮する作者の深呼吸が「顔が熱くなる」に、しっかりとつながっています。お姉さんのイチオシ。
句番号作品作者
46かがみもちあみの土ひょうではっけよいいけだゆめ
もちを焼いている作者が、とってもよく分かります。鏡開きの後、焼き餅にしたんですね。お姉さんは、おしるこにするお餅を、軽くゆでて食べました。あみの上でお餅を焼くのは、面白いので、好きです。だって本当にお餅が生きているみたいに動くんですもの。「はっけよい」が生き生きしていていいです。