講評
(高校生の部)
 講評が遅れてすみません。2月期も終わりですね。来年は受験の方もいるのでしょうか。風邪など引かないようにして下さいね。
今回の「秋雨の朝顔夏のわすれもの」この句の目のつけどころはいいのですが「秋雨」「朝顔」「夏」と三つ季節を表す言葉がある場合くどくなるので、例えば「秋雨」を消して他の言葉を探すと、すっきりしてもっと句がよくなると思います。
「跳ね上がるハイ・ジャンパーや秋の風 」この句も「跳ね上がる=ハイ・ジャンパー」が同じ意味です。重複する言葉は十七音という短さの中では効果的な使い方では無いので別のものを探してみると、よりいい句となります。
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4ガーナより文きたりけり水の秋ずんぞ〜
ガーナという地名の語感がいいですね。「水の秋」のもつ季節と合ってさわやかでいい句です。
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8少年の午睡は海を連れてくる神尾しろねこ
「少年は海を連れてくる」という表現が詩的で上手いです。
この抒情がとてもいいと思いました。
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112ページで終る短編鳥渡るずんぞ〜
「鳥渡る」が効いています。付かず離れずというところでしょうか。気の利いた句ですね。
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13冬晴れや「死」を口癖として少年神尾しろねこ
 実感があり中七下五で心情が書けています。そして「冬晴れ」が来て、より景が鮮明になり深みがでました。
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16小鳥来てピアノの稽古始めけり キキ
日常を掬ったさわやかな感じがいいですね。「小鳥来て」と繋がず「小鳥来る」と切ったほうがすっきりしますね。
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17探し物はハーモニカです冬隣ずんぞ〜
この句も日常句です。生活の中から句材をみつけるのも大事なことです。「冬隣」一発で決まった句です。
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20柊葉団地の子らのつーんつん神尾しろねこ
「つーんつーん」で子供たちの遊んでいる感じがよく出ています。無季ですが、柊葉団地という固有名詞の感じから初冬感が漂います。上手い一句ですね。