講評
(小中学生の部)
皆さん、こんにちは。落葉の盛んな季節になりました。吹く風もめっきり冷たくなってきましたね。もうじき今年も終わりです。どんな一年だったでしょうか? お兄さんはジュニアネット句会で面白い俳句をたくさん読ませてもらいました。毎回、皆さんの熱意がびんびん伝わってきます。来年もまた楽しみにしています。お互い俳句頑張りましょう。ではよいお年を!
句番号作品作者
3ビーカーとメスシリンダーと秋の風森本恒
作者は理科の実験中でしょうか。ビーカーの透明感、メスシリンダーの繊細さと、「秋の風」の取り合わせがうまく決まっています。日常の景から、みごとに詩をつかみました。
句番号作品作者
13指切るな足を切るなと稲を刈る杉本智
今日は稲刈りの日。健やかに実った稲の中で、泥んこになって頑張る作者。しかし鎌はこわいもの。作者の緊張感がよく出ています。十分に気をつけて。
句番号作品作者
19鉄棒の振り飛び競争 赤とんぼ浜野総一郎
お兄さんも子供の頃を思い出しました(逆上がりはできなかったのですが。。運動オンチのお兄さんです)。赤とんぼが躍動感を際立たせています。爽やかな一句。
句番号作品作者
23ろうそくの実験 友の目が大きいぞ大石知美
ろうそくに火をともし、実験の真っ最中。ろうそくの炎をしっかりと見つめる友だちの目が、いつもとは違って、やけに大きく感じられます。その感覚、お兄さんにもくっきりと伝わってきます。ろうそくの炎はとても幻想的。お兄さんの「銅」。
句番号作品作者
27キーボードの音響かせる 秋晴れだ荻野泰葉
秋の澄み渡った空へ届けとばかりに、キーボードを弾く作者。おおらかさが印象的な一句です。「秋晴れだ」の「だ」の開放感にひかれます。
句番号作品作者
34落ち葉がひらひら 神社の屋根はでかい扇朱里
落葉がひらひらと舞い落ちてくる、そのはかなげな様子と、神社の屋根のどっしりとしたたたずまいが好対照になっています。いい景色です。
句番号作品作者
36彼岸花 きれいな空気をたくさん吸う渡辺雄太
彼岸花のあの色合いの鮮烈さと、「きれいな空気をたくさん吸う」の清らかさがうまく結びついています。彼岸花が心に浮かんできました。お兄さんの「銅」。
句番号作品作者
38稲刈りの終わったところ カエル飛ぶ渡辺雄太
大変だった稲刈りも、みんなの頑張りでようやく終わりました。ほっと一息。刈り終わった田んぼを眺めると、カエルがぴょこぴょこ跳ね回っています。稲刈りの終わった嬉しさと充実感にあふれた一句です。