講評
(小中学生の部)
みなさん、こんにちは。お兄さんです。冬も近づいて、急に寒くなってきました。風邪をひかぬよう十分気をつけてください。木々の紅葉も日ごとに深まってきましたね。目にも鮮やかな紅葉や黄落(木の葉っぱが黄ばんで落ちること)は、俳句の素晴らしい題材です。よく観察して、たくさんいい俳句を。
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2消しゴムの休む間もない感想文寺本侑生
読書感想文でしょうか。思う通りの文章にならなくて、書いては消し、書いては消しの作者。苦心と熱意が伝わってきます。一つの方法として、違う紙に、思いついたことを(消さずに)手当りしだいにどんどん書いていく。一通り書き終わったら、それらをじっくりと読んで、自分が一番言いたいことのポイントをしぼってゆく。そのポイントをうまく構成しながら書いていくと、いい文章が書けます。ぜひ試してみてください。
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4お兄ちゃんが三振 コスモスゆれている扇朱里
はりきってバッターボックスに立ったお兄さん。しかし残念ながら、あっけなく三振。コスモスがなぐさめるかのように優しく揺れています。次の打席では頑張って!
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8バーベキューの香り広がる アブラゼミ澤田あかり
アブラゼミのあの「ジイ、ジイ」という鳴き声から、バーベキューの肉の焼ける音を連想したのでしょうか。豪快で楽しさあふれる一句です。
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15運動会 アリの行列乱れてる寺本侑生
いっぱい練習して、今日の運動会の本番を迎えました。僕たちのきりっとした整列と行進に比べて、蟻の列が何だかだらだらしているように思えます。蟻たちに向かって、えへんと胸を張っている作者の姿が浮かびます。お兄さんの「銅」。
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16寝る前の大きなあくび フラミンゴ寺本侑生
「寝る前の大きなあくび」にフラミンゴを思い浮かべる、作者の独特かつ新鮮な感覚に惹かれました。よく説明できないんだけど、読んでいると楽しくなってくる、いいと思える。そんな作品が生まれるのも俳句の面白さではないでしょうか。
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26確かに網に入った魚 川光る寺本侑生
今日は川沿いで魚とりをしています。なかなかすばしこい魚ですが、やっと網でとらえることができました。その確かな感触、そして作者の喜びを「川光る」がうまく伝えています。
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27カラスにはいろんな鳴き声 夏終わる山本克海
夏の終わり、秋に向けてどんどんすみ渡ってゆく空気。その空気の中で、人のさまざまな感覚も研ぎすまされているのかも知れません。作者はカラスの鳴き声のいろいろを、その鋭敏な耳でとらえました。発見と豊かな詩情があります。お兄さんの「銅」。
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28マラソン大会 稲の穂キラキラ光ってる渡辺雄太
マラソン大会。息をはあはあさせながら頑張って走っている作者。稲の穂の光りも、そんな作者を応援してくれているようです。爽やかなスケッチになりました。