講評
(小中学生の部)
みなさん、こんにちは。二学期、元気で頑張っていますか。お兄さんです。お彼岸も過ぎ、ようやく秋らしくなってきました。めっきり涼しくなりましたね。スポーツの秋、読書の秋、食欲の秋などなど、もりだくさんの季節です。いろんなことをいっぱい体験、吸収して、いい俳句をどんどん作ってください。
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2最後のプール 水鉄砲を持っていく澤田あかり
けっこうきつい練習の日もあった夏期のプール講習。今日はその最後の日、めいっぱい遊んでもいいと先生のお許しが出ました。「やったあ!」うきうきした気分が「水鉄砲を持っていく」に出ています。
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7バーベキュー 母さんたちの長話浜野総一郎
地域会や子供会などでよくバーベキューパーティーが行なわれます。いつもは大忙しのお母さんたちも、今日は楽しく盛り上がり、よもやま話に花が咲きます。それにしても話はいつ終わるんだろう。何か眠くなってきたな・・。場の雰囲気と作者の心持ちがよく伝わってきます。
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12フラミンゴ 左右どちらか迷ってる寺本侑生
「左右どちらか迷ってる」というフレーズ、とても面白いですね。フラミンゴのあの独特の立ち姿、動作が浮かんできます。しっかりとフラミンゴを目と心でとらえた句です。お兄さんの「銀」
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14先生のカメラが見逃す白いサギ扇朱里
野外授業の一コマでしょうか。いろんな風景をカメラにおさめる先生。あ、いま白サギが目の前を横切った!・・でも先生は別方向を見ています。せっかくのシャッターチャンスだったのに! 残念な気持ちが句にあらわれています。
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16校門の銅像眠そう 五時間目荻野泰葉
心身ともに疲れてきた五時間目。先生の話にも、どこかうわの空です。ふと外を眺めると、校門の銅像も眠そうです。自分のけだるさを「校門の銅像」を通して表現することによって、ふくらみのある面白い作品になりました。お兄さんの「銅」
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23鈴虫を国際電話につなぎます宮沢知子
外国にいる友だち(?)との電話中。受話器を耳から離し、窓の外へ向けてみました。鈴虫の美しい鳴き声・・。電話の相手は、しばしその鳴き声に酔いしれたことでしょう。郷愁をかりたてられたかも知れません。作者の優しさが心憎い一句です。
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27ぽりぽりとキュウリかんでる試合の日杉本智
「試合の日」ならではの緊張感、そして作者の気合いを、「ぽりぽりとキュウリかんでる」というフレーズがうまく伝えています。キュウリの爽やかな歯ごたえと味。そのノリで一気に勝ちにいきましょう。お兄さんの「銅」。
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30地蔵さん セミの俳句を書いてくれ渡辺雄太
一読、楽しさに顔がほころびました。確かにひと夏、ずっと蝉の鳴き声を聞いていた地蔵さんですから、さぞかしいい俳句が書けることでしょう。しかし地蔵さんは黙っているだけ。ここはやはり地蔵さんのかわりに君が頑張るしかない!