講評
(小中学生の部)
皆さん、こんにちは。どんな夏休みでしたか? 今回はおおぜいの皆さんが選句をしてくれました。選句をやってみてどうでしたか。きっとその楽しさ、奥の深さがわかったことと思います。さて一学期の結果が出ました。寺本侑生さん、最高得点おめでとう。「リレーの番待つ アリがくつにのぼってくる」「かつぎ直す太鼓 ツバメは低く飛ぶ」など面白い句がいっぱいありましたね。これからも頑張ってください。
句番号作品作者
7七月にすんだ宿題数えてみる森本恒
夏休みの終わりになってあわてないように、きちんと計画立てて宿題をこなしてゆくつもりだったんだけど・・つい長い休みに浮かれて遊び過ぎてしまった。中にはしっかりと七月中に宿題をもう半分以上片づけてしまった人もいることでしょう。この句の作者はどうだったのかな?
句番号作品作者
8母さんの化粧うながすセミの声荻野泰葉
今日はお母さんとお出かけの日。もうこっちはすべて仕度して、あとは出かけるだけなのに、お母さんのお化粧が長引いています。やきもきしている心。蝉の声も、いつもよりやかましく響いてくるようです。とても楽しい一句。お兄さんの「銅」
句番号作品作者
14日本のこと何も知らない広島忌増田ちほ
新聞やテレビ、あるいはお祖父さんやお祖母さんの話で、昔、大平洋戦争そして原爆投下があったことを知る作者。その恐ろしさに触れることで、作者の中に「自分は、まだ日本という国をくわしく知っていなかった」という思いがつのります。その思い、ぜひ大切にしてください。お兄さんの「銅」。
句番号作品作者
16包丁を持つ手のまわり 蚊がブンブン扇朱里
料理の練習でしょうか。包丁を握って、いざ何かを切ろうとしているその時に、一匹の蚊がうるさく手の近くを飛び回ります。すごく気になるんだけど、あえて気にせず、包丁を正しく使おうと頑張る作者の姿が見えてきます。対比がみごとに決まりました。
句番号作品作者
18雲が速いと計算ドリルを開いてる寺本侑生
流れる雲の鮮やかなほどの速さ。今すぐ外に遊びに行きたいけれど、その前に今日やるべき宿題を片付けなければ・・。雲の動きにせっつかれている作者の心のありようがうまく表現されています。
句番号作品作者
22引っ越して花火の音だけ聞こえます増田ちほ
引っ越してきたばかりで、まだ何もわからないこの街。街の空を彩る打ち上げ花火の音が、不安げな心情にやわらかく響きます。新しい生活のはじまりです。頑張ろう。
句番号作品作者
26思いっきりボールけったらいわし雲増田ちほ
いわし雲を目指して、高く遠く飛んでゆくボール。心にまでいわし雲が広がるさわやかさを、そのまま俳句にしました。何とも気持ちのいい一句です。お兄さんの「銅」