講評
(高校生の部)
韻律はとても大事です。ぎくしゃくして味がでる場合もありますが、整えたほうが句に力がでます。皆さんも友だちの句がスパっと口から出た経験が有ると思いますが、それは韻律が良いから覚えやすいのです。出来た句は口中で転がすと、どこが悪いか解りますよ。
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1風鈴がエイトビートになることも源のび太
日中チリンともしなかった風鈴が夕風でさわやかな音色で急に鳴った。それを「エイトビート」と表現したのが上手いですね。さらっと書いたよさが出ています。
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3無邪気なる朝 空蝉を潰しけり 神尾しろねこ
「無邪気なる朝」すこし難しい言い方ですが、澄んでいる朝の気分の筈なのに、乾いた蝉の殻を見たらぐしゃっと潰してしまった。心の襞の荒れた気持ちが書けていると思いました。
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5早弁の女生徒がいる夏燕源のび太
これは読み違えていました。昼より早く弁当を食べることなのですね。女の子が早弁をすると言うので意外性の面白さがあります。季語の取り合わせも気が利いています。楽しい作品です。
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12焦(じ)らすように焦(あせ)らすように青田波神尾しろねこ
青田の風の感じを上五中七でうまく表現しています。風の向きで緑の色が、浅く深く見え広がる青田が見えてきますね。
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17朝焼けや十里の雲を手繰り寄せずんぞ〜
早起きして犬と散歩にゆくと茜色の空は美しい。「雲を手繰り寄せ」がとても上手で抒情的ですね。