講評
(高校生の部)
今回は皆さんは選をされていませんね。句会では「互選」と言って必ず選をします。選句も大事な勉強となりますのご自分で良いと思った句を選んでみて下さい。
句番号作品作者
2蒲公英の子や金星に向かい飛び緑の蛙月
中七下五の言い方でタンポポの明るさがよく書けています。金星が上手で新鮮な句です。「子」ではなく「絮」と言ったらもっと雰囲気がでたのではないでしょうか。
句番号作品作者
3夏の星青し自殺ということば源のび太
自殺という重い内容を「青し」といったので、もたれず気持ちにすうっと入ります。夏の星も内容を深めています。
句番号作品作者
6まっさらな空に落ちゆく青蜜柑夢野サリー
 青い青い空に目眩を感じている感覚、青蜜柑も色なので違う季語のほうが広がりが出たのでないでしょうか。上手い作者なのでもう少し踏み込んで欲しいと思いました。しかしよく感覚しています。
句番号作品作者
7四十の母はしゃぎだす芝ざくら源のび太
 芝ざくらが上手い付けです。心の弾みと季語が釣り合っています。
句番号作品作者
9夜光虫進路表から零れ出す夢野サリー
心理的な句です。進路表という具体的なものから「夜光虫」が出てきたのでしょう。よく書けています。
句番号作品作者
12岩石の顔した父がいる真夏夢野サリー
 父を岩石と捉えたのが良いいですが、「いる」が少しゆるいで下五を五音でおさえるとより良いと思います。
句番号作品作者
14恋なんて進学なんて遠き雷源のび太
 気持ちが素直にすらっと書けています。「遠き雷」で心情に重層感が出ました。