講評
(小中学生の部)
 初めまして。これからジュニアネット句会で講評を担当するお姉さんです。皆さんの積極的な応募をお待ちしています。よろしくお願いね。今回は、自分なりの発見をしている作品が、やはり、光っていますね。これからも背伸びせずに自分の周囲から句の材料を探してください。
句番号作品作者
46朝つゆを見て深呼吸 川の音杉本智
「川の音」と下五にあるから、キャンプに出かけた時の一句でしょうか。朝の爽やかさが「深呼吸」をする作者の動作に表されていて、好感を持ちました。
句番号作品作者
55春の風 本のページを進ませる渡辺雄太
「本のページ」を「進ませて」いるのは「春の風」であって、作者ではありません。まるで風が物語を楽しんでいるかのような情景。でも、読書は自分でして下さい。
句番号作品作者
18ブランコこぐ 遠くの山がよく見える荻野泰葉
お姉さんは、この句を読んで、昔のアニメ「アルプスの少女ハイジ」のオープニングテーマの一場面を思い出してしまいました。大きな景の句だと思います。
句番号作品作者
42春の雨 円周率が分からない扇朱里
春の雨の中、ちょっと憂鬱な算数を思い出しました。きっと今日は苦手な算数の授業がある日。ところで、今、円周率って3.14じゃなくて、ただの3なんですってね。それっていいの?と、考えてしまうお姉さんでした。
句番号作品作者
71山の空気はうまい おじぞうさんがわらってる澤田あかり
とっても素直な表現で、読んでいて思わずこちらもにっこりしてしまいました。山登りをしている作者の楽しさがよく出ています。こんな場所で道を守っていられるおじぞうさんも、きっと幸せ。
句番号作品作者
22ごみ箱にティッシュあふれて花粉症寺本侑生
花粉症の辛さは、なった者にしか解かりません。でも、それを正直に、そして「ごみ箱にティッシュあふれ」ている様子で、こっけいに描いてくれました。お姉さんにもわかるなァ!
句番号作品作者
1風呂上がり 宿題はまだカバンの中寺本侑生
宿題はなるべく早めにやってしまいましょう!気持ちはイタイほどワカルけれど、のび太君、また宿題やってないで眠っちゃったのー!後で泣くのは君だよー!
句番号作品作者
9春の風 百人一首の声ひびく放生有矢
春の百人一首大会の様子を詠んだ一句ですね。大会の張り詰めた空気の中に、春風が心地よいです。きっと作者は真面目な人なんだろうなぁと思いました。
句番号作品作者
44新米をとぐ うまそうだなと言ってとぐ放生有矢
早く食べてみたくなるような一句ですね。新しいお米は、といでいても気持ちのいいものです。仲の良いであろう一家の家族団欒も見えてきます。
句番号作品作者
45卒業式準備 ていねいに幕をつる森本恒
「準備」をしているのは、きっと後輩である作者。卒業する先輩たちへの心のこもった式準備が「ていねいに」という一語でよく言い表されていると思います。好感を持ちました。