講評
(小中学生の部)
 八百屋で買った菜の花が、野菜室で咲き始めてしまいました。食べるに食べられず、コップにいけたら、次々に花が開いて、まあるい、黄色の、春の花束。

句番号作品作者
5はじめてのかまくら作ってあそんだよ瑞花
 今年は本当によく雪が降りました。四十数年ぶりの大雪。雪に不慣れな地域では、雪はやっかいなものですが、この句の作者は雪で初めてかまくらを作る事ができた嬉しい気もちを伝えようとしていますね。かまくらができあがって中には入れた時の嬉しそうな顔が見えてきます。子どもにとっては大雪も楽しみの一つですものね。

句番号作品作者
13おにはそとわたしのこえでふくいがくるいちご
 この句は、節分の日の豆で鬼を払い、福を呼ぶ声が聞こえてくるような感じがしました。きっと、やさしい声に誘われて作者のうちに福がやってきたのではないかな?今年もいい事がありますように。

句番号作品作者
15雪がっせんあたってあててよけられる奈々
 雪がっせんの楽しみは、あたった時の悔しさも忘れて、相手をねらって雪を投げて相手にあたった時の「やったー」というしゅんかんかな?勝ち負けと言うより、あたったかあたらないかですよね。うまくよけた時も気持ちいいですね。雪玉が飛び交い、汗をかくほど熱中していたのでしょう。

句番号作品作者
21なべ食べてえがおがそろうテーブルにみーたん
 冬の食卓に、ねぎや白菜、にんじん、魚や肉も。湯気と一緒においしそうないいにおいがしてくるようです。すきなものを入れて、トマトなべ、カレーなべ、などいろいろななべがあるようですね。おいしいおだしのコマーシャルみたいになってしまった感じはしますが、冬の一家団らんの様子を表現していると思います。

句番号作品作者
29三年生さくらがふって四年生武士大和
 小学四年生を心待ちにしている気持ちが伝わってきます。三年生を楽しく過ごし楽しい思い出もたくさん残せたのでしょう。桜は三月のうちに満開になって、ちょうど進級して四年生になった頃には、ちらちらと降っているだろうなあと思い描いているところがとてもいいなあと思いました。