講評
(小中学生の部)
 11月に入り、雨のたびに気温が下がって、あんなに暑かったのが嘘のようですね。今月が終わるともう12月になり2013年も終わりなんですね。12月にあわてないように11月を大事に過ごしたいですね。
句番号作品作者
4台風はあらわれてきえてのくりかえしうぷぬし
 10月の台風は、本当にくりかえしおそってきました。伊豆大島の被害は大変なものでした。また来るのではないかとひやひやしているうちに、台風の声を聞かなくなりましたね。ひとまず、よかったです。
 「あらわれてきえて」という表現が今年の台風の特徴を捉えていていいと思いました。

句番号作品作者
12かまきりはちいさなかまをふりまわすガルル
 かまきりをじっとよく見ているといろいろな発見がありますよね。頭の動き、目の色、食べる時のようす、かまの動かし方・・・。見飽きません。じっと見ていると見ているこちらに向かって小さなかまをふって、精一杯おどかしてきます。
 人間に比べればかまきりはとても小さい生き物ですが、作者がかまきりに親しみを感じ、大きさではなく生き物として同じように命を持っていることにも気づいたことが俳句になっていると思いました。

句番号作品作者
16運動会いろいろあってたいへんだ端花
 運動会が秋に行われないところもあるようですが、歳時記の中では運動会は秋の季語。
 運動会には、種目もいろいろありますが、この句での「いろいろ」には、運動会が家族にとってもとても大事な楽しみにしている家族行事としての「いろいろ」があるるように感じました。例えばお弁当作り、応援席の場所取り、前日の準備、おじいちゃんやおばあちゃんを招いたり、新しい靴に名前を書いたり、等々、とにかく家族だって、子どもだって大変なんですね。

句番号作品作者
18どんぐりにあながあいてるなにかいるアサ
 どんぐりを拾ってはみたものの、その辺に転がしておくことがあります。えっ、あな?どんぐりに虫?何かいる?なんて知りませんでした。調べてみると、柔らかいうちにゾウムシなどが卵を産みつ受けているんだそうです。虫ってすごいですね。どんぐりや虫など、秋は自然にもふれあうことができますね。

句番号作品作者
41赤とんぼもどらずすすむいつまでも奈々
 この句には、「て」「に」「を」「は」がありませんね。俳句は十七音で作るとなるとなるべく言葉を短くしたり無駄な言葉を取り除いたりするとすっきりとまとまることがあります。この句は声に出して読むといい俳句だと思います。言葉のリズムというか調子がよくて、とても読みやすいです。「赤とんぼ」の飛んでいる姿が思い浮かびます。作者はどこへ飛んでいくのかなあと言う気もちで秋の空の赤とんぼを見つめているのでしょう。