10月が終わったとたんなんだかすっかり冷え込んでいるこの頃です。
秋も深まってきましたね。11月はさらに晩秋となり紅葉も色付きをますでしょう。寒暖の差が激しいと紅葉の色が鮮やかになるといいます。みなさんは、紅葉を愛でたり、落ち葉を踏んで楽しんだり、木の実集めをしたり、秋を楽しんでいますか?秋の句ができたら、またどんどん、投句してください。待っています。
(今回は大畑等IT部長も講評を書いています。) |
句番号 | 作品 | 作者 |
1 | 甘くない 桃をかじりて 涙する | きのこのこ |
間が空いているので、「甘くない」「桃をかじりて」「涙する」と素直に「甘くない桃をかじって涙する」と読み取れます。でも、実際、甘くない桃をかじってしまったからといって涙は流しません。だとしたら、何か別のものの喩え、たとえば「甘くない」現実にぶち当たって涙するということでしょうか。とすると「桃」すなわち「現実」になります。そんな読み方をしました。
いわゆる青春の悩みなのでしょうか。桃をかじっても甘さを感じない、と受け取りました。しかし下五の「涙する」は書かないほうが良いでしょう。「涙する」は結果でありますが、どのような悩みなのかは読む人にはわかりません。具体的なことを書いて、そのことで、きのこのこさんの「涙」が暗に示されるようにしましょう。(大畑 等)
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句番号 | 作品 | 作者 |
2 | 黒い海 憂いをおびた 月浮かぶ | きのこのこ |
黒い海に月が浮かんで揺れている様子が「憂いを帯びている」ように見えたという素直な句です。ただ、それだけじゃないなとつい深読みしたくなるところがあります。暗い海ではなく「黒い海」としているのは、心の奥底にあるであるからか。その「黒い海」に浮かんでいる月だからこそ「憂いを帯びた」月なのか。大人の感覚を持っている句と思いました。きのこのこさんはそろそろ「きのこ」になる時期なのでしょう。
「黒い海」と「月浮かぶ」でおおよそのことが分かります。しかし「憂いをおびた」が急ぎすぎました。月を見てどのように感じるかは人それぞれ。悩んでいるとき、喜びのなかにあるときなどにより感じ方が違います。月が憂いをおびて見えるのには理由がありますね。そこに焦点を当てて書くと良いでしょう。 ※きのこのこさんは中学三年生か高校一年生なのでしょうか。一般(大人)のインターネット句会に出されてはいかがでしょうか?(大畑 等)
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