講評
(小中学生の部)
 今年の夏は暑いですね。ロンドンではオリンピックが熱くなっています。お姉さんも眠い目をこすりながら体操や競泳、柔道など見ていました。みなさんは、どんな夏休みを過ごしているのでしょう?真夏日をこえて、猛暑日になっているところも。夏ならではの楽しみ方で、暑さに負けないようにして下さい。 

句番号作品作者
2幸せの青い鳥になる 紙飛行機エース
 メーテルリンクが戯曲用に書いた原作「幸せの青い鳥」。探し求めていたもの(幸せ)は結局身近にあったと気付かされ、けれどまた見失ってしまった、というお話でしでしたね。紙飛行機が幸せの青い鳥になるという作者の言い分に共感できました。ただ、ちょっと決まりすぎていて「かっこいい!」で終わってしまいそうです。
句番号作品作者
10竹でつくったかびん ささゆり一輪指すエース
 この句の「竹でつくった花瓶」というのは、作者が自分で作ったということなのでしょうか?ここで花瓶の説明が必要かどうかな、と思ったのですが、「ささゆり一輪さす」という言い切り方ですっきりしました。
句番号作品作者
16大仏の頭のカール 夏の雲笑顔みかん
 大仏様の髪型は「螺髪(らほつ)」と言って、仏様の特徴を示す「仏の三十二相」の 一つだそうで、悟りを開いた最高位の仏様に現れる特徴の一つであり、智恵と徳の高さを表しているのだそうです。それを「カール」と言っているのも面白く、「夏の雲」という季語に添えているなんて、俳句として素晴らしいと思いました。
句番号作品作者
20車庫の戸を開けて ツバメを待っているキャプテン
 今年は燕の飛来が各地でも減っているということを耳にしました。その気持ちからか、「ツバメを待っている」というところに惹かれました。ましてや、「車庫の戸を開けて」というのですから、作者の実際の行動も伺えて燕を待つ気持ちがとてもよくわかりました。車庫に巣作りをしたのでしょうか、それともツバメの通り道なのかもしれません。燕のことをもっと見つめて、なにか発見したらまた俳句に詠んでみてください。
句番号作品作者
29ホタルがり 手にも足にもとまらせて天坂晋
 ホタル狩りができるなんて自然の豊かなところなのですね。お姉さんも蛍を人工的に育てているところで見たことはあります。きれいで、とても不思議な感じがしました。手にも足にも、というところに、じっと蛍がとまるのを待っている緊張感や時間の流れのようなものを感じさせられました。