講評
(小中学生の部)
 今年は3月になってもまだ寒い日が続いていますね。
今月は、結果発表を見ておわかりのように選句なしとなってしまいました。それでも是非来月は投句してくださるのをお待ちしています。期待を込めて、お姉さんの感想は書かせていただきました。


<お姉さんからの提案>
  
 みなさんは、現代俳句協会の「データベース」を見たことがありますか?
 大人の会のホームページですが、もし季語を知りたいなと思っているのなら、是非、一度データベースの季語一覧を開いてみてください。春の季語だけでも、600くらいあります。
 みなさんがよく知っている言葉でも、「うららか」、「浅蜊」、「ぶらんこ」、「菠薐草(ほうれんそう)」、「やどかり」などなど‥季語をクリックすると俳句が出て、同じ季語にもいろいろな俳句があるのがわかります。たとえば、「春浅し」。季語一覧で探すと29句出てきて、こんな俳句が見つかりました。
 
   春浅き麒麟の空の飛行雲   三好達治
  
 <はるあさききりんのそらのひこうきぐも>。三好達治は<太郎を眠らせ太郎の屋根に雪ふりつむ/次郎を眠らせ次郎の屋根に雪ふりつむ>の詩が有名ですね。作者の「三好達治」の他の句を知りたければ、「作者一覧」から「三好達治」をクリックするとと出てきます。
 こんな風にいろいろな人の俳句を知ると自分の俳句作りに役立つと思います。
  
 「雪」といえば、小林一茶の俳句にも雪と子どものことが詠まれた句がありました。
  
   雪とけて村いっぱいの子どもかな  一茶
  
 雪国の長い冬が終わるころ、雪解けを待つ子どもたちの元気な声まで伝わってくるような気がします。本当に春が待ち遠しいですね。合わせて3月の投句、待っています。


<気になる句に一言>
句番号作品作者
7雪に転んで登校の列に遅れてる山ユッピー
雪の日の登校の様子がとてもよくわかります。ただ、「転んで」遅れるのでは当たり前すぎてしまうなと思いました。登校の時、雪で転んでしまう、そのときあなたが見たのは、聞いたのは、触れたのは、感じたのは、何だったのでしょう?
句番号作品作者
8電線の雪がばっさと登校する山ユッピー
電線に積もった雪が落ちる様子を「ばっさと」という言葉で表現するのは独特でおもしろいと思いました。