講評
(小中学生の部)
 今月もたくさん句が寄せられていました。冬休み中のことを詠んだ句が多くありました。2012年、いいスタートを切れたのではないかな?風邪に気をつけて元気に過ごしましょう。春は一歩一歩近づいているよ。

 では、感想です。

句番号作品作者
20さぎちょうのもちがほしいと 長い列えばこう

 季語の「さぎちょう」、漢字では「左義長」と書き、取り外した新年の飾りなどを火を焚いて祭ることであると書いてあります。子どもたちの正月の行事です。激しく火が燃える様子から「どんど」などとも呼ばれています。その火で焼いた団子やもちを焼くのですね。
 「さぎちょうのもちが欲しいと長い列」と一気に詠むほうがいいでしょう。

句番号作品作者
23出ぞめ式の はだか放水 犬走るたっざん池永

 「出初め式」「はだか放水」「犬走る」三つのことばがそれぞれに力がみなぎっていて、新年の寒い中での出初め式の力強さや、参加している人たちの意気込みが感じられました。
 「の」はとって、「出初め式」と切った方がその勢いが止まらなくていいと思います。

句番号作品作者
25書き初めは カを入れて 文ちん置く♪こ〜やん♪

 お正月に書き初めに挑戦したのですね。墨の匂いって気持ちが落ち着きますね。書き初めは特に一回勝負、「よし、書くぞ。」と言う気もちで文鎮を紙の上に置くときの緊張感を詠みたかったのだと思います。
 「力を入れて」の部分を、「呼吸を止めて」とか「音を立てずに」とか、何か別の言い方でそれを表現できるともっといいと思いました。

 
句番号作品作者
26獅子舞のリズム 宿題の手がきざむたっざん池永

 獅子舞の笛や太鼓のお囃子が聞こえてくると、つい体のどこかで拍子を取ってしまう‥、宿題をやっている最中でもそうだったということですね。「宿題の手が(リズムを)きざむ」という表現がおもしろいと思います。
 状況を説明しすぎているところはもう一ひねり欲しいところです。どうせなら宿題の手に獅子舞をさせてみるなんて発想もあっていいかなと思ってしまいました。

句番号作品作者
57私のそりは方向おんち手に力山ユッピー

 お姉さんもそり遊びは好きです。バランスをとりながらスピードを出すととても気持ちよく滑れますね。だんだん慣れてくると行きたいところへいけるようにうまくかじがとれてきますが、初めのうちは何度も繰り返し、繰り返し、挑戦します。そのときのそりと乗っている人の一体感が出ていて、そり遊びの楽しさが伝わってきました。