講評
(小中学生の部)
 やっと涼しい季節になりました。秋本番ですね。「○○の秋」と言いますが、皆さんはどんな秋を過ごしているでしょうか?
 お姉さんは・・・、ついおいしそうなものに手が伸びてしまいます。秋だけに「月より団子」という感じです。ほどほどにして・・・。
 今月の感想です。

句番号作品作者
3しんさいのもくとうコスモスゆれました山本柚馨
 11日は日本でもアメリカでも追悼のための黙祷が捧げられました。
 「ゆれました」とあり、「地震のゆれ」のことを思い出してしまうかな?とも思いましたが、静かに優しく揺れているコスモスを想像しながら読むと、これからも震災のことを忘れずにしっかりと見つめていきたいという、黙祷に込めた思いの深さが伝わってきました。

句番号作品作者
8オニヤンマ止まれ止まれと目でおって山本柚馨
 素直に詠んだ句です。オニヤンマの飛ぶのを見つけた時のこの気持ちがよくわかります。
 なかなか止まらないので必死に目で追いかけたことがあります。決して止まらないので迎え撃つ感じで網を振る、うまく捕まえられないもどかしさも伝わってきます。俳句らしく整っていて、わかりやすく誰にでもわかってもらえる句だと思います。

句番号作品作者
20食べるのは 母さんだけの やきなすびえばこう
 なんだか思わず「ふふふ」と笑いたくなる句でした。皆さんは知らないかな?「秋茄子は嫁に食わすな」というほど秋の茄子はおいしいのだとか・・・。これにはいろいろな説もありますが。
 お母さんはきっと秋茄子が大好きなんでしょうね、見ている君はあまり茄子が好きではないのか な?ちょっとくったりしていて食感が苦手とか。それともあんまりおいしいのでお母さんが独り占めしているとか?想像してしまいました。「やきなすび」と言う料理名を俳句にしたところもおもしろいと思いました。

句番号作品作者
21十五夜のお月様はかくれんぼ山本柚馨
 素直に見たとおり思ったことをうまく俳句にしています。誰かが俳句にしているようなよくある場面ですが、素直に言い切ったところがいいと思います。雲に隠れてしまったお月様を見つけようと夜空を見上げているんですね。

句番号作品作者
25ともだちと手と手をつなぐうんどう会遼太
 運動会の句でこんなにもほんわかとした気持ちにさせてくれるこの句はとても好きです。
 低学年の頃は平気で運動会以外でも自然と手をつないでいたものです。学年が上がるとだんだん何となく気恥ずかしくなっていきますが、運動会では、そんなことは言っていられません。組み体操に、借り物競走、棒引き、大玉送り・・・などなど。
 手と手をつないで、心と心もつないで、力を合わせて一生懸命がんばる清々しい運動会を思いました。いっしょに何かをする近くにいる友達・・・いいですね。