講評
(小中学生の部)
 11月もあっという間に終わり、12月。寅年の1年はどうでしたか?いろいろあったと思います。今年ももう終わるんですね。
 お姉さんの感想もみなさんのおかげでこうして続けられました。今月の投句を見て、「おや、いつもと少し違う感じの句があるぞ」と思いました。みなさんがいろいろと試行錯誤しながら俳句を詠んでいるんだなあと思いました。
 選句をしてくださった、田中一茶さん、ありがとうございました。12月は今年最後の締めくくり。たくさんの方々の投句・選句を待っています。

句番号作品作者
4赤とんぼ かなずちトントン軽い音子まり
 トンボの飛び方を見ていると、すいっすいっとリズムをつけていることがありますよね。木工作品を作っているのかな?金槌のトントンという音に合わせてトンボが飛び交っているのでしょうね。季節と生活がうまく合わさっている句だと思います。

句番号作品作者
5会話がはずむコスモスの食事会ミッキーTJ
 「コスモスの食事会」はちょっとどういうことかなと迷いました。コスモスの花が飾ってある食事会かな?コスモスの花が集まって咲いているようすが食事会みたいだと言うこと?どちらにしても、想像するのは楽しく、どんな会話が弾んでいるのかな?秋の日の穏やかな優しい時間が詠み込まれていると思いました。

句番号作品作者
7秋の風高音部の声続いてる中村郁海
 秋の風にも高音や低音があるのかもしれません。でもこの句は、ソプラノとアルトに分かれての合唱の練習かな?うまくハーモニーが重なっていい声が秋風の中で伸びているのでしょうね。この句も季節感が生活の一部とうまく重なっていると思いました。


その他の句にもほんの一言感想を・・・・

1 蝉丸は ほんとはちょっと はげらしい

 これでは、俳句と言うより説明的すぎますね。もう一工夫。


2 Youtube いろんな動画が いっぱいだ

 これもユーチューブの説明ですね。何かおもしろい動画のことに絞って読んでみてはどうかな?


3 授業中 金木せい香る 秋の風

 「金木犀」も「秋の風」も秋の季語。2句作ってみたらどうかな?


6 戦争は 人を殺す 悪い事

 その通り、正論です。こういうことを俳句に読もうとする意気込みはすごいなあと思うのですが、これも説明的。


8 赤とんぼ夕日の色に染まってる

 ゆうやけこやけのあかとんぼ〜、歌の世界にありますね。


9 現代の アートはちょっと 意味不明

 現代アートの不可解さを何とか俳句にしようとしたところはとてもいいです。具体的な作品名や作者の名前を俳句の中に詠んでみるとどうかな?


11 きんもくせいのにおいにつられてトンボ来る

 トンボが来たのは金木犀が香ったからと言う説明。「トンボ来る」を生かして作ってみるといいのでは?


12 赤とんぼセミの声はもう聞こえない

 「赤とんぼ」「セミの声」はどちらも季語。「セミの声はもう聞こえない」と言うところを生かして、上の句を探してみるといいのでは?


13 モナリザは 作者の家の 隣の住人

 一番気になる句でした。でも、説明的すぎるので、俳句らしさがなくなってしまっているのではないかなと思いました。
 いろいろと謎の多い「モナ・リザ」。俳句にしたらきっとおもしろいと思います。