講評
(小中学生の部)
 11月になりましたね。今日は文化の日。晴天になることが多いそうですね。お姉さんの家の上にも秋の気持ちのよい空が広がっています。
 10月の選句、ありがとうございました。「少数精鋭」という感じでどの句もいいところがありました。また、こんな風に考えてみたらどうかなと言うことも感想で書かせてもらいました。本当に感想を書くのが楽しくなります。みなさんとは実際に会っていませんが、インターネットと俳句のおかげでとても身近に感じることができます。でも、一方的なので、言い過ぎたりしてないかな?という心配もしながら・・・の、お姉さんの感想です。
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6洗ざいのにおいふわっと夏休み子まり
 洗濯物を干すときなのか、乾いたものを取り入れるときのどちらかかなと思いますが、どちらにしても気持ちよく晴れた空を思い浮かべます。「ふわっと」という様子がぴったりの「洗剤のにおい」それで「夏休み」と納めてあるところがすっきりしていていいですね。
 暑さよりからっとしたさわやかな夏を思い浮かべました。おなじ夏でも日本列島の中の地域によってはこんな夏休みもあるのかもしれません。
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7お年寄りとの折り紙・会話秋の風ミッキーTJ
 「折り紙」と「会話」の間にある「・」には何か特別の意味があるのでしょうか?
 確かに七・七・五となるのでいいのですが、俳句の中には見慣れないなあと思いました。
 単に「折り紙と会話」ということならば「と」ではどうでしょうか?でも、そうすると 七・八・五 となって整わなくて「・」としたのかな?
 お姉さんとしては、「お年寄り」「折り紙」「会話」「秋の風」どれもが作者の中では言いたいと思う度合いが同等に並んでいるような印象を受けました。お年寄りとの静かな空間をより感じるためには、全部「と」でつなげてみるのはどうかと思いました。「お年寄りと折り紙と会話と秋の風」・・・どうでしょうか?最後まで一気に読んでもらうと作者の思いがかえって強まるような気がします。作者の表現したかった様子はそれほど違わないのではないかな?
句番号作品作者
13算数の教室キンモクセイのにおいくるミッキーTJ
 そういえばお姉さんも算数だけは少人数で学習することがありましたね。教室を移動して、いつもより静かな算数の学習。キンモクセイのにおいが流れていることが際だって感じられて、「においが来る」と表現したんですね。この表現の仕方がいいなあと思いました。また、「教室に来る」の「来る」ともかけてあるようなところもおもしろいと思いました。
句番号作品作者
16会話が中断 コオロギが窓に来てハローキティ
 「が」を省略した方が音もきれいだし、俳句らしくなりませんか?「が」が二回入っているので、最初の「が」をとっても意味は通じると思います。
 コオロギがふと窓に来て、会話が中断したと言うことはとてもよくわかりますし、秋らしい情景を詠んでいていいなあと思いました。「会話中断」という漢字によって会話がピタッととまった感じをうまく伝えていると思います。


ちょっと注目した句
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12秋風にゆれて発表会の曲をひく中村郁海
 この句はとてもきれいな句でちょっと注目しました。秋風にふさわしい音楽なんでしょうか?曲名は?楽器は?発表会の当日?練習中?作者の気持ちが?体が?秋風にゆれているの???いろいろ想像が広がってしまい、どう理解していいのかなと思いました。
 俳句では、こうしたことがよくあるような気がします。伝えたいことがいろいろ想像できていいときとそうではないときや、自分にしかわからないのではせっかく俳句として詠んでももったいないなあということが。
 もう少し想像するヒントがあると作者の気持ちや情景を読み手に伝えることができるのではないかなと思いました。
 お節介すぎかと思いますが、次回の作品に何かヒントになるといいなあと思っています。
 実は、お姉さんも俳句の先輩からよくそういうアドバイスをもらいます。難しいなあと思うことがあります。これからも一緒に俳句作りを楽しみながらがんばりましょう。