今月も多くの句が出されていて、うれしいかぎりです。選句もしっかりしてくれていますね。 夏休みまであと少し、梅雨明けが待ち遠しいこの頃です。元気に夏休みを迎えましょう。
夏休み中も作句して、また投句してください。楽しみに待っています。
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句番号 | 作品 | 作者 |
3 | ピアノひく バラの新芽をなでてから | ハローキティ |
作者はよくピアノを練習しているのでしょう。バラの新芽はこの時期ぐんぐん伸びていきます。お姉さんの家にも赤と白のバラが咲きます。新芽が伸びてくる姿は見ていても気持ちがいいものです。背筋をぴんと伸ばしてピアノを弾く作者の姿とバラの新芽の取り合わせ、それと「なでてから」がとてもいいと思いました。新芽に対する作者の気持ちが込められているようです。「ピアノひく」という上5の切れ方もすぱっとしていていいです。弾いている曲はなんだろう?と想像することも楽しかったです。 |
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句番号 | 作品 | 作者 |
7 | ハマナスが 咲いた「ハイ」と 手をあげる | ドナルドダック1 |
今回は「ハマナス」の句が他にもありました。日常的にハマナスをよく見ているようですね。 ハマナスの花の見えるところで勉強しているのかな?「ハイ」と手をあげるのは、もちろん作者か友だちだと思いますが、「ハマナス」が「ハイ、咲きました」と言って手をあげたような空想も浮かんできてしまいました。楽しい句になっていると思います。 5・7・5におさまっていないのはそれほど気にならなかったのですが、「ハマナスが咲いた」というと詩の一文のようなので、「ハマナス咲いた」としてみると少しすっきりしてきませんか?それから、上5中7下5でわざわざ空白を明けない方がいいのではないかと思います。声に出して読んでみてください。区切りがあるとないではずいぶん違います。 |
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句番号 | 作品 | 作者 |
13 | 春の雨 人体模型に 見られてる | たこ焼き |
作者から「見られている」のは人体模型のはずなのに、作者が逆に「見られている」と感じたという発見がうまく俳句によって表現されているところがいいと思います。 春の雨、「春雨」というのは小止みなくいつまでも降り続く三月頃の雨。実際に雨が降っていたので、「春の雨」と情景としてして選んだのだと思います。しかしどうしても春の雨でなくてはならないという理由が作者になければ、もっとぴったり来る季語はないかと探して見るのもよいのではないでしょうか?「人体模型に見られている」というちょっとびくっとした気持ちに合う季語が見つかるとさらにいい句になるのではと思います。 |
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句番号 | 作品 | 作者 |
16 | ハマナスに親指チクン友笑う | 中村郁海 |
ハマナスの刺は、刺さるといたい物ですよね。 刺があると分かっているのについ触ってしまった。あわてて手を引っ込めた。「あっ、いたっ」とつい声を出してしまった。「親指チクン」がそういう状況の説明をうまく省略して表しているなあと思いました。笑った友だちもきっとハマナスの刺に刺されて痛い目にあったことがあるのではないかな?刺は取れましたか?おだいじに。 |
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句番号 | 作品 | 作者 |
26 | テストの点それより大きな青い空 | 雨獅子心 |
テストの点は果たして良かったのか悪かったのか?事実は分からないので、想像するしかできませんが・・・、「まあ、それはともかく、この青い空の大きさを見てよ。すごいよね。」と語りかけてくるような俳句です。「大きな青い空」を見ているとテストの点や細かいことににばかりこだわらず、もっと大きな物の見方や、身の回りで起きている様々な変化などにも目を向けることは大切だなと思いました。心を広くしてくれるとともに、スケールの大きな爽やかさが感じられました。 |
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