講評
(小中学生の部)
 今年の四月は天候が不順でしたね。例年より雨が多く、気温も低かったようです。
 皆さんは新年度の一月が過ぎたところで、ちょっと一休み、うれしいゴールデンウィークですね。五月もまた季節的にはいいときですから、皆さんの俳句作りも益々活発になると思います。では、四月の俳句の感想です。
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2ウグイス鳴く次々出てくる公倍数ミッキーTJ
 鴬の鳴く声と公倍数、取り合わせが面白いと思いました。
 公倍数は数が大きくなり広がっていく、次々出てくるうれしさ、「ホーホケキョ」と聞こえると空間が広がっていくような感じがしました。「公倍数」から鴬の鳴き声につながる発想がいいですね。公約数では、どんな俳句ができるかな?
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4満開の桜はわたがし青い空ミッキーTJ
 サクラが満開に咲いた様子を詠んだ句ですね。青い空にわたがしのように広がっている桜、きっと遠くから見た景色ではないかと思います。イメージがよく伝わる句だと思います。
 「桜は」の「は」をとってみると少しリズム感が変わります。「桜わたがし」と言うのも面白いのではないかと思いました。
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5伝馬船川に写って桜の夜ミッキーTJ
 「伝馬船」が生活の中にあるんですね。とても風情のある句だなあと思いました。
 桜を夜見ることも、川に映る桜も、伝馬船も・・・・。それに「川にうつって桜の夜」とたたみかけるように終わる流れがこれまた風情があるなあと思いました。
 「写って」は「映って」を使う方が「川に映る」と言うことになりますね。
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8リコーダーつくしつくつく伸びましたミッキーTJ
 「つくつく」と言う表現はつくしの伸びる様子をうまく形容しています。そういえばつくしの形とリコーダーの形が似ていますね。つくしとリコーダーの取り合わせがいいと思います。季節感もとてもよく表れていますし、リコーダーの音色がつくしにも届くような広がりもあります。「伸びました」という報告するような言い方が誰にともなく春を告げるつくしのことを想像させました。