講評
(小中学生の部)
今月は、選句してくれた人が8名。みなさんの熱心な気持ちが伺えます。選んでもらえるとうれしいし、次もやるぞと言う気持ちにさせてくれますね。
読んで選んでもらうのですから、できれば次のようなことにもう一度注意してみましょう。投句する前に、まず、漢字やおくりがな、使い方などに間違いがないか見直しましょう。心配だったら、辞書で調べるようにしてみましょう。よろしくお願いします。
句番号作品作者
1雪積もり小さいダイヤひとめぼれドナルドダック1
降ってきた雪や積もった雪を観察したときの句だと思います。肉眼ではみえない雪の結晶の世界を写真でとらえたものもありますね。雪や氷は温度によって水が姿をかえたものですね。
「小さいダイヤ」と見立ててさらに「ひとめぼれ」とは、面白いですね。作者が見つけた雪の美しさが伝わってきます。 きれいに「五・七・五」になっているのもすっきりしています。
句番号作品作者
2けんび鏡で見る雪 ドレスを着ているよドナルドダック
けんび鏡で見る雪を「ドレスを着ている」ようだと俳句に詠んだところがいいですね。空いているところに「が」かあるいは「は」を入れると、「顕微鏡で見る雪<は>ドレスを着ているよ」という一つの文になってしまいます。顕微鏡で見た雪の説明としては、とてもよいと思います。そのことを句にしたいというのもよくわかります。しかし、俳句ですから、もう少し言葉を選んで見るともっとよくなるのではないでしょうか?
雪はどうやって顕微鏡で見るのでしょうか?お姉さんはよくわからないのですが・・・。顕微鏡のレンズの下のステージできれいなドレスを着て雪が踊っている・・・そんな様子がイメージできます。言葉の連想を続けていくと、最初の句が全く違うものになったりするのもまた面白いと思います。 
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4雷門くぐって熱いもち食べるハローキティ
「雷門」と言えば浅草ですね。「熱いもち」から湯気が出ている様子が目に見えるような気がしました。家族か友だちと話しながら初詣をしたり、土産物屋さんをめぐったり、楽しそうですね。
「くぐって」と言う言葉が動きを出しているせいで、今まさに動いているという感じがします。 生き生きとした情景を描写していていいと思います。勝手に想像させてもらえば、そのときの作者の気持ちは明るく、今年もよい年になりそうですね。
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7雪だるま 私の帽子はどうですかドナルドダック
雪を上手に丸めてだるまができあがって、顔や手やマフラーをつけたりして完成。通り道に立っている雪だるま。通りすがりに、時々見ては、少し手直しして。私の帽子をかぶせてあげたらどうかな?私の帽子はどうですか?なかなかいいけど、雪だるまはどう思っているのかな?雪の季節の楽しみがよくわかります。
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10足あとの大きさ比べる 雪の朝ドナルドダック
これも、雪の季節の楽しい句だと思います。よくわかります。
きれいに積もった雪。まだ誰も踏んでいない、足跡一つない雪。足跡を「サクッ」とつけて、誰のが大きい?比べて遊んでいるのでしょうね。「雪の朝」がうまく効いていて、俳句らしくなっていると思います。この場面や思いを俳句にしようと気づき、自分の「感じたこと」をうまく言葉に変えて相手にうまく伝えられていると思います。