講評
(小中学生の部)
 2010年 新年明けましておめでとうございます。
 みなさん、よい年をお迎えのことと思います。
 お姉さんも、元旦の朝、近くのいつもの散歩コースで、初日の出を
見ることができました。気持ちよく晴れていました。太陽は、毎日毎
日、繰り返しこうして昇るんですね。初日の出を見ることができてよ
かったと思いました。
 さて、2009年最後の皆さんの俳句、感想を書かせてもらいます。
 2010年も俳句を太陽のように毎日の繰り返しの中で見つめていけたらと思います。
 今年もよろしくおねがいします。一緒にがんばりましょう。
句番号作品作者
1人みればマスク大群いっぱい発見ださやか様2
 今年の秋から冬にかけては、新型インフルエンザが流行しました。 マスクが必需品になりました。通勤の電車の中もマスクをする人が多くありました。人と見ればみんなマスク・・・、特に集会活動などのある学校で生活する皆さんは、マスク着用で、集合することなどがあったのでしょう。マスクの大群という表現はよいと思いました。「発見」なのは確かです。ここではあえて「発見」と言わないでおくと、驚きが強調されるのではないかと思いました。
句番号作品作者
2友のかんざし 紅葉がひらひら落ちてきたハローキティ
 とても美しい表現ですね。友だちの髪の上に落ちてきた紅葉がのった様子を美しいと思った作者の感性がすばらしいと思います。
 「友のかんざし」と、前に置きそのわけを後に読んでいます。紅葉の落ちてくる様が目に浮かびます。「紅葉が」の「が」を抜いてみるとさらに俳句らしいリズムになるのではないかと思いました。
句番号作品作者
3ぐつぐつと音たてるなべ 本閉じるハローキティ
 寒い季節の定番料理「鍋」を詠んだこの句は、時間の経過と作者の動きが面白いと思いました。
 具の材料を用意して、鍋を火にかけて、煮立ってくるまでの時間、本を読む。「さて、食べ頃・・・・」という時にぱたんと本を閉じて、自分の食卓の定位置に着く。作者の動きが見えるようです。
 最近、「動詞で終わる俳句は、動きがあって面白いものが多いな」 と思っっていました。この句は「閉じる」で終わっているけれど、その次の動きを想像させるところがいいと思います。
句番号作品作者
4風車みたいに 紅葉が着地したハローキティ
 紅葉の落ちてくる様子を「風車みたい」、「着地した」と表現して、現象の様子をよく観察しているなあと感心しました。
 読む人にとても親切に言葉を使ってわかりやすくまとめています。
 「この瞬間を詠みたいと」思った「瞬間」の様子はよく伝わってきました。作者がこの場面を詠みたいと思ったわけが知りたくなりました。もし、読み込まれていたら、紅葉の落ちてくる様子が現象としての事実から、想像へと宇宙的に広がっていきそうですね。
 「着地」という言葉から、「地球」「月」「宇宙船」などを連想してしまったのは、お姉さんだけかな?