講評
(小中学生の部)
みなさん、暑中お見舞い申し上げます。
梅雨明けがはっきりしなくて、涼しい日もありますが、集中豪雨や竜巻など天候が荒れていますね。被災地域の方々、お見舞い申し上げます。
さて、夏休み中でジュニアネットもお休みしている…と思ったら大間違い。ジュニアネットは、八月も皆さんの投句をお待ちしています。
お姉さんは、夏休みを利用して、山陰地方に旅行に出かけます。始めていくところなのでドキドキしています。八月、九月の俳句作り、お互いに頑張りましょう。    おねえさんより
句番号作品作者
4梅雨続く テストをペラリとうらがえすおひなさま
6月は梅雨でうっとしいですね。学習の方は中間のまとめの時期。作者はテストを難なくこなしているのではないかな?
「テストをぺらりと」の「○○ト」を 「○○○と」の、「と」の音が続くリズム感がいいと思いました。間の「を」とってみるとさらにリズムがいい感じになるのではないでしょうか?夏休み前の梅雨、うっとうしさを軽く裏返して、からっとした夏の天気を期待している気持ちも伺えます。
句番号作品作者
10梅雨晴れて新築の家木のにおいミッキーTJ
梅雨、日本の気候の一つの特徴ですね。その晴れ間に見える空をみたとき、いやなこともそう長続きはせずいつかこうして晴れ間がのぞくようにいいときもくるんだなあと思ったりします。「新築の家の木の匂い」を感じたことと季語の取り合わせがよかったのではないかと思います。
この句は今回の高得点句でしたね。八月の句にも期待しています。
句番号作品作者
11暑い暑いと 登校の列 長くなるデラックスバイオレンス
「暑い、暑い」と言っても涼しくならないんだから言うのはやめよう、と思った矢先「暑い」と言ってしまう。集団登校中の様子なのでしょうか、誰か一人が暑いというと、みんなも口々に暑いと言い出した。「あんまりくっつくなよ、暑いじゃないか」、だんだん間隔が広がって・・・・、登校の列が長くなってしまった、そんな状況がよくわかりました。
歳時記によると「暑し」気温が人間の肉体に苦痛を与えるほど高いときに言う、とあります。夏休みが待ち遠しいのでしょう。夏休みは、やはり有難いものですね。
句番号作品作者
22「ああそうだっった」って顔してテスト直してるドナルドダック1
5・7・5ではありませんが、おかしさがこみ上げてくる俳句の小気味よさみたいなものが気に入りました。
「ああそうだった」っていう顔をしているのは友だち?それとも自分?どちらにしても「わかっていた」と表情を粧ってテストを直している、本当は知らなかったのを知られないように、見栄を張ってしまったのかな?ちょっとした心の隙に気づいて、そのことを詠んだところは作者のお手柄だと思います。
句番号作品作者
23参観日子メダカ確かに増えているドナルドダック1
参観日は何となくいつもと違う雰囲気で妙に緊張したり、気持ちが高ぶったりしてしまうものですね。進級してからの3カ月で、こんなこともできるようになったと、形に表せれることはほんのわずか・・・。でも、見えない部分での成長は「確かに」あると思います。
そんな参観日、ふと見たメダカの水槽では、子メダカが増えている。「確かに」といったところがとてもいいなあと思いました。参観日では目に見えない成長にも気づいてもらえるといいですね。
句番号作品作者
16テストを直す カナブンが 音たてて朝日丘サンクラブ
おねえさんの気になる句 その一。

テストの結果がいまいちだったのかな?それとも思ったより良かった????
カナブンが音をたてるときって、ひっくり返ってしまって、何とか起きようとして羽を開いてブーンブーンって唸ってるよね。そんなカナブンの様子を詠んだとなると、やはり何んとなく口を尖らせて、「なんでこんなところ間違っちゃったんだろうなあ、今ならちゃんとわかるのに」ということなのかな?テスト直しをしている横でカナブンが音たててるってこと?カナブンがテストを直しているってこと?ちょっとそこが分かりにくかったかな。
句番号作品作者
20大きな声で 小手面銅と 暑い夜とうかいゆうと
おねえさんの気になる句 その二。

剣道のけいこ中の句ですね、「小手面銅」は「小手面胴」ですよね。暑さに負けず剣道の練習に励んでいる様子がよくわかりました。剣道と俳句、何か接点があるように思います。何がどのようにと聞かれると困るのですが・・・・、作者はどう思いますか?意見を聞かせてくれたらうれしいです。