総会・全国大会

第43回現代俳句全国大会

目次

大会報告

大会風景 大会風景
大会風景

第43回現代俳句全国大会は、平成18年10月21日(土)、京都国際ホテルで多数の参加者を得て盛大に開催されました。

全国からの応募句数は昨年を上回る1万5739句でした。のべ147名の選者による選考の結果、現代俳句全国大会賞、毎日新聞社賞と、別に秀逸賞14句、佳作賞41句が表彰されました。

また、現代俳句評論賞(宇井十間氏)、現代俳句新人賞(田中亜美氏)の表彰もあわせて行われました。

尾池和夫氏(俳人・京都大学総長)の講演「地震(なゐ)を詠む」では、俳句に詠まれた地震について、震度と句を結び付けての興味深いお話がありました。

ページの上に戻る

各賞発表

現代俳句全国大会賞

踊りながら次第に妻でなくなりぬ茨城県稲敷郡阿見町古家 博
■評■

いつも家庭のなかにいる妻が、祭りの踊りの中で、次第に妻でない姿に「変身」してゆくさまを描いた人間観察の句。ご本人は病気のため出席できなかったが、ご子息が代理で出席された。この句の主人公の妻は昨年病で亡くなったとのこと。


毎日新聞社賞

水打って何もなかったことにする東京都あきる野市木下 蘇陽
■評■

俳句に表現しにくい対象である心象に挑戦した句として評価された。

■講評■

宇多喜代子会長は「こうした大会の句にはどうしても類想の句が多くなるが、それをどう打破してゆくかが課題です。しかし今回も多く見られた八月の句。八月といえばどうしても戦争につながり、平和への思いにつながる。そうした八月の句もできるだけ受け入れたい」と述べた。

寺井谷子副会長は自身の特選句「蟻地獄顔が入ってしまいけり」(千葉県・嶋野國夫)に触れ、「俳句の短さは、こうした恐ろしさを表現しているのに適している。このような誰かの胸に届く言葉を書き続けてほしい」と述べた。

ページの上に戻る

特別選者特選句

金子 兜太選
      核の世の地球まるごと芋の露福岡県北九州市藤井 一信
松澤  昭選
      海よりも大きく夏の来たりけり愛知県西尾市中村 正幸
宇多喜代子選
      引き鶴に大きな空となりにけり大阪府豊能郡原田 タキ子
阿部 完市選
      半島や圧倒的に赤とんぼ愛知県名古屋市浅生 圭佑子
倉橋 羊村選
      草笛が遠退く昭和呼びもどす新潟県長岡市栗林 かずおみ
小宅 容義選
      花明り人といふ字のよき傾斜滋賀県大津市鈴木 順子
村井 和一選
      省略のきかぬまっかな唐辛子山口県山口市中井 芳穂
森下草城子選
      白山や大きな月に田水張る石川県白山市中川 順友
山崎  聰選
      駅長の押す車椅子冬ぬくし奈良県橿原市西田 さよ子
寺井 谷子選
      蟻地獄顔が入ってしまひけり千葉県長生郡嶋野 國夫
安西 篤 選
      夕日押し戻す爆心地のブランコ福岡県北九州市中村 重義
内田 園生選
      青リンゴ川の流れのように剥く千葉県船橋市二瓶 照代
大山安太郎選
      人形がみな立っている終戦日東京都品川区川口 慶子
木村 敏男選
      花明り百のたましひ出てあそぶ茨城県潮来市室谷 光子
齊藤 美規選
      真葛原非常口より始まりぬ福島県福島市鈴木 満喜子
藤村多加夫選
      歩く・老ゆる・死ぬ一本の枯野道愛知県春日井市竹村 甲子雄
吉田 未灰選
      歩く・老ゆる・死ぬ一本の枯野道愛知県春日井市竹村 甲子雄
伊丹三樹彦選
      入院といふ旅ありぬ合歓の花広島県福山市村上 峰子
和田 悟朗選
      考へてゐて蚊柱の芯となる兵庫県姫路市酒居 八千代
石崎 素秋選
      草笛が遠退く昭和呼び戻す新潟県長岡市栗林 かずおみ
立岩 利夫選
      さくら咲き昼の洗濯機がまわる福岡県北九州市告下 春一
平川 雅也選
      八月がだんだん遠くなってゆく秋田県秋田市佐々木 たま江
山田 緑光選
      人間は笑う生きもの葱をむく埼玉県春日部市尾堤 輝義
田沼 文雄選
      足裏に地球の丸さ田を植える神奈川県中郡須藤 徹
山口いさを選
      ちちろ鳴く積みくづれたる蛸壺に兵庫県神戸市岡野 多江子
ページの上に戻る

秀逸賞

かげろうに真ん中のあり空席なり東京都世田谷区富田 敏子
蝉鳴いて木が透明になりたがる千葉県銚子市明石 春潮子
枯れてゆくものにもありし日の匂ひ滋賀県草津市斉藤 英雄
夕日押し戻す爆心地のブランコ福岡県北九州市中村 重義
青空の音する西瓜買ってくる神奈川県鎌倉市畑 佳与
茄子の馬また茄子として転がれり埼玉県さいたま市前田 虹雨
八月をたたんで千羽鶴にする千葉県流山市菊地 京子
郭公やもとの名前の村が好き茨城県日立市鶴岡 しげを
かげろふの曲げし鉄路を電車来る岡山県笠岡市浜田 粂男
真葛原非常口より始まりぬ福島県福島市鈴木 満喜子
折鶴の胎内さくら明りかな福井県福井市塩谷 美津子
透きとほるまで大根を問ひつめる大阪府枚方市森 茉明
日本海の水しぼりゐる水着かな大阪府堺市植村 喜代恵
身体から骨が出てゆく夜の秋東京都品川区柴山 猛
ページの上に戻る