出版物

現代俳句コレクション

句集『新樹風』 現代俳句コレクション第2期・5

中村石秋 著

(定価3,000円(税込) 2016年4月刊)
昨日かくあり今日かくありぬ新樹風  平成26
この辞世の句は、九十年間を前向きに生き抜かれた石秋さんそのものだと思う。誰彼に明るい風を残してこの世を去られた。私たちはこの瑞々しい風を大切に育て、やがては次の世代に引き継いでいきたいと思う。(佐怒賀正美:跋文より)
句集『ななかまど』 現代俳句コレクション 第2期・3

竹鼻瑠璃男 著

(定価2,000円(税込) 2015年9月刊)
 
ななかまどは、バラ科、ナナカマド属の落葉高木で、
わが家前の舗道の並木でもある。米寿という齢に
至って、その終末感と共に、なおこの木の図太さを
わが心根としたい。      ―「あとがき」より―
 
自選十句
あかつきの 短き男時二月尽
雪解鮠きらめく迅さうそまこと
亡き母のどこかを摑み昼寝覚
瀧落ちて水の仲間と遭遇す
月一つ魂と置く盆の海
秋の蛸どの手枕で眠らうか
風待ちの港日暮れて氷頭膾
この闇も継ぎて沈みて茎の石
押といふドア押して出て神の留守
拍てば神合せて仏雪の国
句集『赤ちゃん』 現代俳句コレクション 第2期・4

佃 悦夫 著

(定価2,000円(税込) 2015年9月刊)
 
産土や生死の問題が次第に脳裡を去来することになった
八十才の現在の刻印が、本句集であることは間違いない。
句集名『赤ちゃん』は筆者にとって、赤ちゃんの存在を鏡の
ように己れの意識としている只今の謂でもある。 (あとがきより)
 
 赤ちゃんも山も歯止めが効かず笑う
赤ん坊五体投地す朧の夜
赤ん坊いきなり初日鷲摑み
霜柱歯牙瞭らかな赤ん坊
赤ん坊真昼の鵙と大笑い
『中村路子全句集』 現代俳句コレクション・10

中村路子 著

(定価3,000円(税込) 2015年4月刊)
 
大正に生れ主婦として母親として
生きてきた中村路子は
上り坂の昭和時代をひたすらに
俳句とともに生き抜いた
一人の女性俳人であった――宇多喜代子
 
◆以下の4句集を含む全句集◆
第一句集「簪」・・・昭和43年
第二句集「露」・・・昭和50年
第三句集「渚」・・・昭和57年
第四句集「澪」・・・平成2年
 
句集『開顔』 現代俳句コレクション 第2期・2

中村孝史 著

(定価2,000円(税込) 2014年12月刊)
 
「開顔(かいがん)」とは、
顔の表情をのびのびさせること、
にこにこすること。
著者も日頃努めて居ますが、
この句集を読まれた方の顔も
そうなることを願います。
 
日向ぼこ雌雄同体的気分
嫌いです蔓菜お浸し迷彩服
齢来て妻の昼寝を労りぬ
投降のごとく下り来る茸採り
冬青空闇を思うて何になる
無いはずの帰心植田に映りたり
渚のよう冷たき朝のキーボード
生きるとは冬の土手行く腕の振り
老人は姿勢を正す冷房車
人んちの深部に触れしとろろ汁
             自選十句
句集『寒烈』 現代俳句コレクション 第2期・1

深谷雄大 著

(定価2,000円(税込) 2014年11月刊)
俳句は、句歴を積めば積むほど、

恵まれるように生まれるものではない。

一日一日、生き、自己研磨してゆく、

そこから、生きる確かめとして

探り当ててゆくものだと思う。(あとがきより)
荒星を消す天涯の死者の数
雪怒濤歩かねば先見えて来ず
花のなき蝦夷の冬の雪の華
合歓の木の芽吹きの雨香寝にひける
十万の乱舞の海猫の夜に落ちし
断腸花師は遥かなる旅にあり
卒塔婆なき佐藤春夫の墓に花
星の譜に枯木の千枝やはらげる
我が影を我のいざなふ深雪道
寒烈の気を吸ふ双手上げて吸ふ
             自選十句
句集『津波てんでんこ』 現代俳句コレクション・9

鈴木正治 著

(定価2,000円(税別) 2014年6月刊)
 
第8回
角川俳句賞受賞者の
          風土・生活
 
東日本
大震災の
句を
もって綴る
量感ある
好書である
 
妻恋ひの時刻夕顔こちら向き
チューリップ百咲きをとこ泣きたき日
人のやうに山寄って来ぬ蜘蛛飛ぶ日
「津波てんでんこ」仔牛首上げ呑まれゆく
死ねないから逸れし牛ら凍土駆く
父の日のごろ寝猫めに跨がるる
廃炉まで七生蟬が鳴きつづく
人住めぬ被災地熟柿落ちつづく
亀鳴くと言ふから一升提げて行く
日の本の棚田の蝌蚪として泳ぐ
句集『豈』 現代俳句協会コレクション・8

川名つぎお 著

(定価2,000円 2014年3月刊)
 
「豈」を背負って拮抗し、打消しの
エネルギーに溢れたと語りつぐ
内容と編集であったと
伝言しておこう
 
荒地あり月曜日が届けられる
今朝の秋きのうのおれがまだ着かぬ
死ぬのを忘れたり昭和後遺症
虫しぐれ読みたいものを書いている
寒すばる身のミネラルと引きあえり
遺族あり風化することの明るさ
冬山に同意してから少数派
きみを許さぬきみがいて涼しい
南瓜ごろり自分を迎えにゆこう
体内模型のビル街吹きさらし
句集『夜夜(よるよる) 』 現代俳句コレクション・7

桑原三郎 著

(定価2,000円(税込) 2013年12月刊)
 
題名の「夜夜」は特に意味はなく、
集中の句より拾った言葉であるが、
こうして文字として表すと
また別の感想が湧いてくる。
 
死んでから先が永さう冬ざくら
ふくよかに舌のうらがは木槿咲く
窓枠に久しき窓や鳥の恋
地芝居のポスターに雨横なぐり
敏雄亡き街に沁み入る雨水よ
夜夜や死を待つごとく月待てる
日はいつも東に上がり今年米
ゆく水のゆきつつ暮れぬ梅の花
幾久しく足を遣へり春の泥
三月十日忌十一日忌風騒ぐ
句集『肋木』 現代俳句協会コレクション・6

杉野一博 著

(定価1,500円 2013年8月刊)
 
 私は<虚に居て実をおこなうべし>の芭蕉の言葉が、言語表現の基本と実感している。虚を想像をふくむ全経験と捉え、現実の時間や空間の枠を超えてそこを自在に往来し、ひとつの確かなイメージの仕上げの実をおこなうことを努めてきた。/そしてその基底に、私が生れ育ちいま住んでいるこの函館の独特の風土や文化に培われた情感があることを、自覚してきた。          
 

眼圧に沖の加はる今朝の秋

その晩のうちに港へ行ける秋

かすてらの縁の麗を離岸せり

ダイヤモンドダスト魚に孵りけり

かけあひし声に月光氷りつく

句集『浮氷』 現代俳句コレクション・5

鈴木八洲彦 著

(定価1,500円(税込) 2013年1月刊)
 
ゆゑなくて言持たぬ日の浮氷  八洲彦
 
この季語「浮氷」には、私にとって文字通りの解釈よりもっと深い、
そして複雑な気持が含まれているように思えてならない。
直接間接を問わず、大なり小なり震災を
身近に体験したからなのかもしれない。
句集『天樹』 現代俳句コレクション・4

佐怒賀正美 著

(定価1,500円(税込) 2012年10月刊)
 
春服の隠しどころの快癒かな  正美
 
未知の世界を探ることは楽しい。
そのわくわく感を大事にしながら、
新鮮な俳句を生み続けたい。
 
句集『仮生』 現代俳句コレクション・3

柿本多映 著

(定価2,000円(税込) 2013年9月刊)
 
     鏡から尺取虫が出て戻る
 魂魄はスカイツリーにゐるらしい
  ほうたるはふつと螢を忘れけり
 
             峠では薄目あけるな黒揚羽
             帰郷帰郷と昼顔を踏んでしまふ
             八月の馬来て我を促しぬ
             ひんがしに米を送りて虔めり
             寂しさも塩気なりけり天の川
 
※協会お取り扱い分は1/8に完売いたしました。
句集『美しき死を真ん中の刹那あるいは永遠』 現代俳句コレクション・2

久保純夫・久保るみ子 著

(定価1,500円(税込) 2012年5月刊)
 
句集『美しき死を真ん中の刹那あるいは永遠』は、もともと句日記として書いていたものから、俳句だけを独立させたものです。従って、すべて妻である流美子に向かって書かれた俳句になります。二〇一一年六月二五日、流美子がいなくなってからも、俳句は書き続けました。この三六五+αの句の後ろには毎日の想いが填っているのです。そして流美子が久保るみ子として書いた最後の作品になった四八句を収録しました。
 
  片方の眉上げており紫木蓮 純夫
  息潜めいま蓴菜となる途中 るみ子
  常世から少し揺らぎて蓮華草 るみ子
  青葡萄つるんと剝けてるみ子死す 純夫
句集『永遠が咲いて』 現代俳句コレクション・1

鳴戸奈菜 著

(定価1,500円(税込) 2012年4月刊)
 
玉手箱そろそろ開けよう耕衣の忌 奈菜 
 
 
新作を50句ずつ発表する機会を与えられ、
最初は無理と思ったが、やってみると面白かった。
5句発表の場合など、つい力み過ぎたり無難になりがち。
しかし50句となると、ふと生れた句や実験的な句でも
大胆に収められる。そこが妙趣に思う。