各賞紹介

こしの ゆみこ(こしの・ゆみこ)

1951年愛知県出身。東京都在住。
1988年8月より俳人の父の影響から、朝日カルチャーにおいて金子兜太の指導を受ける。
1989年、海程入会。
1993年、海程新人賞受賞。「海程」同人。
1994年、1950年以降生まれ限定超結社句会「豆の木」を片岡秀樹と結成、後に代表、編集。
1995年、2000年、豆の木賞受賞。
1998年、現代俳句協会新人賞受賞。共著「海程新鋭集」。
現代俳句協会員。
「蝶の爪」  こしのゆみこ
西口はよく晴れている花衣
学校をはみ出す桜海に舞う
千年の桜の中に手を入れる
桜ごと帽子ごと姉はいなくなる
口車花時にのる楽しさよ
蝶々の爪立てられし我が腕
桃源郷人はどこにいるのだろう
青ばかり使う日子猫抱きにけり
潮干狩りその鼻歌はまちがっている
五月闇登りしごとくバスに乗る
おとうとのひよこよくなく夜のバス
扇風機ひとりひとつずつ夫婦
瀬戸物の大事にゆきかう夏の森
牛みるみる冷やされし色にかわる
片恋のキャベツおかわりする自由
ナイターを抜ける途中の光る橋
一番に押す停車釦天の川
セロファンを曇らせるのはどの桔梗
縄跳びを休んでいたる羊雲
二百十日細かく刻む紅生姜
満月の真水底を抜こうとする
立冬のまだやわらかいふくらはぎ
つなぐ手を離しお降り確かめる
冬の月シェフが光を浴びに出る
かまくらをはみだす布のありにけり
料峭のひかり育てる空き地かな
少年がシュートするたび桜咲く
鍵穴の錆のかまわず桜咲く
びしょぬれの桜でありし日も会いぬ
いたくないかたちに眠る花月夜

 

受賞の句は現代俳句データベースに収録されています。