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第53回現代俳句全国大会入賞作品発表

(2016年11月09日掲載)
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<現代俳句全国大会賞>

   父の日は黙って父になっている    福 岡  中村 重義

<毎日新聞社賞>

   告げ口をしそうな無花果から食べる  福 岡  三原 洋子

<特別選者特選句>

  金子 兜太選   水中花揺れだす艦の底の父     静 岡  植田  密

  宇多喜代子選   八月の束ねて重き新聞紙      福 岡  田口 啓子

  宮坂 静生選   めがね拭く子ども代表広島忌    神奈川  永井 良和

  寺井 谷子選   人類と書いて八月六日かな     山 口  上野 昭子

  加藤瑠璃子選   青空に大きな裂け目原爆忌     東 京  金武 伸弥

  高野ムツオ選   蟬採つてくれし手があり戦死せり  福 岡  佐川 初江

  中村 和弘選   木の家に木の椅子机蓮開く     神奈川  町野 広子

  鳴戸 奈菜選   この世しか知らず老いゆく春の暮  三 重  橋本 輝久

  伊藤 政美選   毀れさうな惑星に住み日向ぼこ   東 京  谷川  治

  前田 弘選    父の日は黙って父になっている   福 岡  中村 重義

  相原左義長選   人類と書いて八月六日かな     山 口  上野 昭子

  安西  篤選   炉心溶融雪女流産す        東 京  金武 伸弥

  伊丹三樹彦選   草笛を教へて呉れて征つたきり   千 葉  相原 一枝

  大坪 重治選   だんだんと金魚が僕を好きになる  大 分  田口 辰郎

  岸本 砂郷選   八月に昭和がみんな詰ってる    埼 玉  鈴木 成夫

  鈴木八駛郎選   消えてゆく村がふるさと初燕    千 葉  椎名 鳳人

  たむらちせい選  君が代や遠泳未だ着かぬ兄     宮 崎  永田タエ子

  松本夜詩夫選   筆圧の残るメモ紙敗戦日      奈 良  西谷 剛周

  森下草城子選   石工村灼けたる石の匂ひけり    三 重  下平しづ子

  森田  廣選   月光の村月光の木綿針       千 葉  植原 安治

  山崎  聰選   クレヨンの匂い家中夏休み     東 京  北村眞貴子

<秀逸賞>

  月光の村月光の木綿針           千 葉   植原 安治

  水中花揺れだす艦の底の父         静 岡   植田  密

  国中が過疎となる日や泡立草        埼 玉   髙橋 邦男

  蝌蚪の壜抱へ少年転校す          愛 知   大矢 節子

  そして八月永久に八月無言館        埼 玉   茂里 美絵

  ハンカチに今日といふ日の折目かな     埼 玉   関口ひろ子

  しあわせのふりしてくずすかき氷      東 京   佐々木克子

  草笛を教へて呉れて征つたきり       千 葉   相原 一枝

  墓洗ふ死者から忘れられぬため       大 阪   柏原 才子

  日本のどこかで曲り鳥帰る         東 京   髙野 公一

  くちづけと同じくちびる牡蠣すする     沖 縄   池宮 照子

  水の匂いの人ばかり来る秋彼岸       秋 田   丹生 千賀

  あじさいのどこかで鍵のかかる音      兵 庫   木村オサム

  人類と書いて八月六日かな         山 口   上野 昭子

  八月の象の孤独を見る孤独         福 岡   増本加津子

  みんないなくなる八月のかくれんぼ     栃 木   中村 克子

<佳作賞>
   麦秋の端に火薬の匂ひせり      茨 城  大野ひろし
   逃げ水の見える限りの昭和かな    東 京  宮  沢子
   蓬餅喰ってけむりのように生き    宮 崎  永田タヱ子
   にんげんと昭和を生きた被爆の樹   大 分  谷川 彰啓
   青空に大きな裂け目原爆忌      東 京  金武 伸弥
   田に水を入れて身近になる青嶺    新 潟  佐藤  靖
   レモンに歯型わたくしに通り雨    千 葉  長濵 聰子
   風船にひっぱられ立つ赤ん坊     東 京  山本 敏倖
   広島忌いつまで折れば鶴がとぶ    広 島  佐藤 海史
   落葉掃くために嫁いで来たやうな   新 潟  栗林かずおみ
   いづかたも地震の巣なれど種を蒔く  京 都  廣川 孝彦
   日本のほぼ真中で大昼寝       千 葉  新井 秋芳
   父の木も兄の木もあり蟬時雨     千 葉  保坂 末子
   はじまりは一滴の水建國日      愛 媛  神野 園子
   真っ青な空が墓碑なり原爆忌     福 岡  中島直四郎
   たんぽぽの絮は平和の重さかな    福 岡  三舩 熙子
   春愁や鏡の中に長居して       京 都  岩成 天風
   耕して耕して母振りむかず      京 都  岩成 天風
   百年ののちも戦後やかきつばた    福 岡  鈴江 弘光
   満月の好きな田水を張っている    大 分  有村 王志
   怒つてはゐないけれども草むしる   埼 玉  田口  武
   八月はうしろ姿の父であり      東 京  栗原 節子
   偶数のとなりは奇数秋ざくら     広 島  林  すみ
   毀れさうな惑星に住み日向ぼこ    東 京  谷川  治
   戦争が片目をひらく麦の秋      栃 木  石倉 夏生
   昼寝覚めやつぱり一人だつたのか   大 阪  合田マサル
   だんだんと金魚が僕を好きになる   大 分  田口 辰郎
   大根煮る昔話をする様に       愛 知  山本 達夫
   めがね拭く子ども代表広島忌     神奈川  永井 良和
   蟻が来る老人が来る木のベンチ    栃 木  大嶋 邦子
   八月の空を切り取り鶴を折る     埼 玉  益子さとし
   夕凪やてんでんことは淋しくて    山 口  市川 邦子
   夜桜や狐のお面売り切れる      福 岡  古野 道子
   癌取ればかくも涼しき命なる     千 葉  山口 夕紀
   消えてゆく村がふるさと初燕     千 葉  椎名 鳳人
   仰向けに死ぬ蟬に降る蟬しぐれ    山 口  樋口 和年
   蟬採つてくれし手があり戦死せり   福 岡  佐川 初江
   曲るしかなかった胡瓜十五歳     東 京  宮澤 雅子
   八月の束ねて重き新聞紙       福 岡  田口 啓子
   原爆忌しずかな木からしゃべりだす  千 葉  重田 忠雄
   風だけを入れに行く家夏あざみ    千 葉  石井紀美子
   向日葵が少年兵の顔になる      東 京  有原 雅香
   鳥渡る地球にいくつ国境       東 京  仲澤 輝子