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第50回現代俳句全国大会入賞作品発表

(2013年10月28日掲載)
<現代俳句全国大会賞>

 
  雑煮食うも骨をひろうも箸の国    大分県国東市  河野 輝暉               


  花茣蓙に毀さぬように母を置く    熊本県熊本市  北野 昭夫
               

<毎日新聞社賞>


  いるだけでいい父がいる夏座敷    埼玉県春日部市 尾堤 輝義

	

<特別選者特選句>
  			
 金子 兜太選  セシウムは誰にも見えず馬洗ふ     青森県青森市   牧 ひろし

 宇多喜代子選  鬼やんま目玉濡らして現れる      富山県射水市   中山 蒼楓

 宮坂 静生選  彼の世とは蟬の穴より少し奥      兵庫県伊丹市   田村久美子

 森下草城子選  五月号青年のごと届きけり       山口県周南市   佐伯 喜誠

 田中 不鳴選  風鈴の音に値をつけて売られけり    大阪府大阪狭山市 東   徹

 寺井 谷子選  きみを許さぬきみが居て涼しい     東京都大田区   川名つぎお

 安西 篤 選  八月の素朴な問いの中にいる      山口県長門市   松本 清水

 加藤瑠璃子選  静寂もまた音であり夜の雪       兵庫県神戸市   前野 辰己

 高野ムツオ選  風車この世を知らぬ子に廻る      埼玉県本庄市   竹本いくこ

 前田 弘 選  日盛の音のしさうなつけ睫毛      愛知県名古屋市  山中多美子

 相原左義長選  玉砕の島の木に吊る鉄風鈴       北海道旭川市   土田 桃花

 石田よし宏選  びりの子の貰ふ拍手や風光る      秋田県にかほ市  宮本 秀峰

 伊丹三樹彦選  弟は木の上に居る柏餅         埼玉県さいたま市 長谷 郷子

 大坪 重治選  三月をはみ出している瓦礫山      埼玉県和光市   村上 子陽

 大山安太郎選  白日傘かくしきれないことのあり    福島県いわき市  野崎 友枝

 小宅 容義選  花の昼誰もが射程距離に居る      山口県光市    上野 昭子

 河村 四響選  玉音のときおり混じる蟬時雨      栃木県栃木市   増山 ちさ

 豊田 都峰選  夏雲や瓦礫に番地境なく        福岡県みやま市  鶴  賀水

 野間口千賀選  薄氷の時どき人の声を出す       北海道札幌市   鈴木きみえ

 花谷 和子選  生きるとは人思うこと冬銀河      神奈川県横須賀市 飯塚 幸子

 前田吐実男選  いつまで避難月がきれいと言えるのか  愛知県刈谷市   三浦  亨

 山崎 聰 選  恐竜の骨の全長昭和の日        北海道札幌市   浅井 通江

 吉田 未灰選  花茣蓙に毀さぬように母を置く     熊本県熊本市   北野 昭夫

 和田 悟朗選  ひるがおに太平洋の時間あり      東京都杉並区   大坪 重治


<秀 逸 賞>
  			
  炎天を来て日本の畳かな       福島県福島市     鈴木満喜子

  鍵穴は古墳のかたち鳥帰る      愛知県名古屋市    渡邊 淳子

  やっと二人とうとう二人桜餅     千葉県船橋市     直江 裕子

  われにまだ乳房の重み髪洗ふ     京都府京都市     太田美喜子

  花の昼誰もが射程距離に居る     山口県光市      上野 昭子

  ひるがおに太平洋の時間あり     東京都杉並区     大坪 重治

  三月をはみ出している瓦礫山     埼玉県和光市     村上 子陽

  目を開けて何も見てゐず日向ぼこ   大阪府堺市      宮部 紀孝

  馬は馬の影曳いてゆく夏野かな    北海道札幌市     藤谷 和子

  玉音のときおり混じる蟬時雨     栃木県栃木市     増山 ちさ

  セシウムは誰にも見えず馬洗ふ    青森県青森市     牧 ひろし

  夏帽子叱られながらついて来る    大阪府守口市     ?橋 もこ

  車椅子野に白蝶を殖やしおり     神奈川県高座郡寒川町 多田 武峰

  子規の横顔多分桜は見ていない    東京都世田谷区    富田 敏子

  静寂もまた音であり夜の雪      兵庫県神戸市     前野 辰己

  引き鶴に空あをあをと整ひぬ     大阪府吹田市     柏原 才子

  晩年はどこか案山子に似てきたり   岩手県花巻市     市野川 隆  


<佳 作 賞>

  花衣疲れも水のやうに脱ぐ       三重県志摩市      廣  波青
  眼の力抜いて沖見る敗戦忌       神奈川県高座郡寒川町  多田 武峰
  仕事着のどこに触れても暖かい     福岡県北九州市     安部 泰子
  恐竜の骨の全長昭和の日        北海道札幌市      浅井 通江
  夕焼けを使ひ果して子の眠る      神奈川県横浜市     泉  しん
  稲架を解く夕日はいつも山にあり    大分県大分市      谷川 彰啓
  見送るは残されること昼の月      神奈川県足柄上郡中井町 尾崎 竹詩
  海の日の海より光る握り飯       群馬県前橋市      設楽 清子
  八月やいくさの唄で毬をつく      埼玉県狭山市      林  生子
  いつまで避難月がきれいと言えるのか  愛知県刈谷市      三浦  亨
  寂しさをかたちにすれば山椒魚     愛知県名古屋市     原しょう子
  切株になってこんなに深い霧      宮崎県宮崎市      長友  巖
  日本海へ伸びる岬を耕せり       神奈川県川崎市     荒井 智之
  九月来るきのうとおなじドア開けて   北海道札幌市      田辺 信子
  合鍵を渡されてゐる大花野       東京都練馬区      坂本美千子
  鬼やんま目玉濡らして現れる      富山県射水市      中山 蒼楓
  亡妻をうかと呼びけり夕端居      東京都新宿区      水野幸四郎
  サングラスかけて自分を軽くする    京都府八幡市      夢乃 彩音
  生きているとは死ぬ途中花ざくろ    宮崎県宮崎市      長友  巖
  汗の子へ汗の乳房をおしあてる     東京都北区       山口 紀子
  ざわわざわわもう眠りたい沖縄忌    東京都武蔵野市     蓮見 順子
  昼は夜に近づいて白さるすべり     東京都杉並区      大坪 重治
  瓦礫に雪見知らぬ町となりてゆく    神奈川県海老名市    衣川 次郎
  行くところまで行くつもり花筏     千葉県佐倉市      相原 一枝
  この位図太くなれと泥大根       東京都八王子市     千葉 三郎
  男とか女とかでなく冷奴        神奈川県横浜市     川名 将義
  日本を一歩も出ない冬帽子       大阪府大阪市      森田 智子
  綾取りは銀河に懸けて一人っ子     埼玉県和光市      村上 子陽
  孕みたる魚を煮ており原爆忌      群馬県邑楽郡邑楽町   小倉 自閑
  空蟬の背中に残る青山河        青森県弘前市      佐藤 正賢
  生きるとは人思うこと冬銀河      神奈川県横須賀市    飯塚 幸子
  被爆国そのすみつこに田水沸く     神奈川県横浜市     中岡 昌太
  にぎり飯指まで舐めて祭りの子     福井県福井市      北川 逸子
  名の消えし村を忘れずつばくらめ    茨城県水戸市      井坂 景秋
  人乗りてふらここ軽くなりにけり    兵庫県西宮市      中森 真木
  田水張つて大きな鏡あらはるる     東京都文京区      岡田 翠風
  たくさんのさよなら麦の穂が揺れる   神奈川県川崎市     川島由美子
  麦の禾痛くてふるさと離れたり     愛知県岩倉市      青木喜美子
  口紅を濃く引いてから毛虫焼く     京都府八幡市      夢乃 彩音
  赤ん坊にけものの匂い夏はじめ     北海道札幌市      阿部 満子
  ぼんやりと見ればぼんやり合歓の花   神奈川県鎌倉市     福田  忠
  目薬のよく冷えており広島忌      東京都多摩市      平山 道子
  彼の世とは蟬の穴より少し奥      兵庫県伊丹市      田村久美子
  桃供ふこの世に赤きところ向け     三重県伊勢市      前田 典子
  どっかんと太陽を入れ田水張る     東京都江東区      栗原 節子
  空蟬のだんだん重くなっている     東京都板橋区      松田ひろむ
  白日傘かくしきれないことのあり    福島県いわき市     野崎 友枝
  百日紅すこしよごれて僧きたる     埼玉県さいたま市    高橋比呂子
  玉砕の島の木に吊る鉄風鈴       北海道旭川市      土田 桃花