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金子兜太名誉会長逝去のお知らせ

(2018年2月21日掲載)
当協会名誉会長(第三代会長)の金子兜太氏は、2月20日(火)午後11時47分、熊谷市内の病院にて逝去されました。謹んでお知らせ致します。
なお、葬儀は近親者にて執り行われることとなっております。喪主はご長男の眞土(まつち)氏。当協会としての今後の予定につきましては、決定次第お知らせ致します。                  
 
 
【略歴】
・大正8年9月23日埼玉県生まれ(98歳)
・昭和18年 東京帝国大学経済学部卒業、日本銀行に入行、直後、海軍経理学校へ、翌年中尉任官、トラック島に赴任、同島で終戦を迎えて復員・復職
・昭和31 年 「第5回現代俳句協会賞」受賞
・昭和37年 同人誌「海程」創刊、その後、結社誌となり主宰(現在に至る)
・昭和58年 現代俳句協会会長就任
・昭和62年 朝日俳壇選者(現在に至る)
・昭和63年 「紫綬褒章」受章
・平成6年 「勲四等旭日小綬章」受章
・平成8年 「第11回詩歌文学館賞」受賞
・平成9年 「第48回NHK放送文化賞」受賞
・平成12年 現代俳句協会名誉会長(現在に至る)
・平成13年 「第1回現代俳句大賞」受賞
・平成14年 「第36回蛇笏賞」受賞
・平成15年 「日本芸術院賞」受賞
・平成18年 「第2回チカダ賞」受賞(主催:スエーデン)
・平成18年 日本芸術院会員に推挙される
・平成20年 文化功労者
・平成21年 「第4回正岡子規国際俳句大賞」受賞
・平成22年 「第58回菊地寛賞」受賞
平成22年 「第51回毎日芸術賞特別賞」受賞
・平成27年 「朝日賞」受賞
・平成29年 現代俳句協会特別功労者 表彰
 
【句集】
『少年』『金子兜太句集』『蜿蜿』『暗緑地誌』『金子兜太全句集』『旅次抄録』『早春展墓』『遊牧集』『猪羊集』『詩經國風』『皆之』『両神』『東国抄』『日常』
 
【著作等】
『わが戦後俳句史』(岩波新書)『俳句専念』(ちくま新書)『漂泊の俳人たち』(NHK出版)『酒やめようかどの本能と遊ぼうか―俳童の自画像』(中経出版)『荒凡夫一茶』(白水社)『語る兜太―わが俳句人生 金子兜太』(聞き手・黒田杏子)(岩波書店)など、多数
 
 
 

「慟哭 金子兜太逝去」現代俳句協会会長 宮坂静生

哀しみに堪えない。生(なま)の人間が生の言葉を率直に語る。この一点に絞っても現代日本において比類のない人間存在に魅力があった。秩父の産土への郷愁に、トラック島での体を張った戦場体験、帰国後の社会性を重視した俳句運動での牽引者の役割、さらに一茶、山頭火をはじめ幅広い古典探求などから俳句を見る綜合力に秀でた俳人であった。俳句界の指標であるばかりでなく、これだけの真実の文化人は他にいないのではないか。98 年の生涯にあって到達した独自のアニミズムに基づく宇宙感にも万物の存在を貫く「戦争拒否・平和探求」の生々しさがあり、共感を呼んだ。明快でしかも繊細、鋭い感性に人間の温(ぬく)みがある。時代の良心を失った思いだ。
 
 
「現代俳句」2018年2月号 特別作品十句 
「望郷」  金子兜太
 
昼月に黒点被曝の福島何処へ
 
草鳴りの語ありや草莽の人ありき
 
夕星に母らしき声の韻くよ
 
父母ありき老いて且つ生き父母ありき
 
秩父谷桜並木に猪遊ぶや
 
夏潮のみちのくの民孤化あるまじ
 
窓より覗く洒落たホテルの秋去る顔
 
熊谷や秩父の星影冬深く
 
奥秩父両神武甲冬の深さよ
 
片頰に冬日次第にしぼむ老い
 
 
 
お問い合わせ先:現代俳句協会事務局(電話03-3839-8190)