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創立70周年記念第54回現代俳句全国大会入賞作品発表

(2017年11月24日掲載)

<現代俳句全国大会賞>

  被爆胎児のわれを陽子と呼びし父    宮 崎  福富 健男

  田螺鳴くまるごと村の捨てられて    大 阪  原田タキ子 

<毎日新聞社賞>

  戦死者も蛍も多き村であり       埼 玉  石山秀太郎 

<読売新聞社賞>

  日本が青くなるまで田を植える     愛 知  鈴木  進 

<東京新聞賞>

  敗戦日しづかにシャドー・ボクシング  愛 知  中村 正幸 

<朝日新聞社賞>

  麦秋やいつも一人の鉄工所       神奈川  西田みつを 

<日本経済新聞社賞>

  月光の刺さつたままの父の椅子     埼 玉  岡田 一夫 

<産経新聞社賞>

  夜の青田自分が見えるまで歩く     茨 城  鷹羽 龍麿 

<俳句のまちあらかわ賞>

  おしまひに己が影にも水を打つ     奈 良  あめ・みちを

 

<特別選者特選句>               

金子 兜太選  田を植えて田を植えながら過疎になる 千葉 青木 一夫

宇多喜代子選  父の日の父にいつもの電車来る    広島 筈谷 美保

宮坂 静生選  みどり児は銀河の記憶握りしめ    宮城 丸山千代子

寺井 谷子選  草餅を食べて遠い遠いという     徳島 油津 雨休

加藤瑠璃子選  夜の青田自分が見えるまで歩く    茨城 鷹羽 龍麿

高野ムツオ選  白雨來て英靈のみな立ち上がる    青森 泉 風信子

中村 和弘選  被爆胎児のわれを陽子と呼びし父   宮崎 福富 健男

鳴戸 奈菜選  新しき戦後来ぬやう星祭       長野 佐藤 由美

伊藤 政美選  大根を柔らかく煮て長生きす     群馬 細野 彩扇

前田 弘 選  買いかぶりです私たんなるパセリ   千葉 石井紀美子

相原左義長選  冬座敷広くて坐るところなし     千葉 中里  結

安西 篤 選  敗戦日しづかにシャドー・ボクシング 愛知 中村 正幸

伊丹三樹彦選  また一人逝き睡蓮のひらく音     東京 平山 道子

大坪 重治選  入口も出口も蟬に鳴かれけり     福岡 三舩 煕子

岸本 砂郷選  田を植えて田を植えながら過疎になる 千葉 青木 一夫

鈴木八駛郎選  青空で眼玉を洗う秋の馬       長崎 前川 弘明

たむらちせい選 父の日の父にいつもの電車来る    広島 筈谷 美保

松本夜詩夫選  八十が二十の兄の墓洗ふ       東京 谷川  治

森下草城子選  みどりごの真水のやうな汗ぬぐふ   千葉 千葉 信子

森田 廣 選  夜の青田自分が見えるまで歩く    茨城 鷹羽 龍麿

山崎 聰 選  麦秋やいつも一人の鉄工所      神奈川 西田みつを

 

<秀逸賞>

   父の日の父にいつもの電車来る      広 島  筈谷 美保

   田を植えて田を植えながら過疎になる   千 葉  青木 一夫

   電飾をまとい冬木になりきれず      茨 城  飯塚 芙紅

   大根を柔らかく煮て長生きす       群 馬  細野 彩扇

   大空に隅つこは無し鳥渡る        神奈川  菅沼 葉二

   東京の夕焼を拭く仕事です        埼 玉  岡田 一夫

   地震の地にものの始めの種を蒔く     宮 崎  桑原 淑子

   八十が二十の兄の墓洗ふ         東 京  谷川  治

   牛食べてなまこを食べて人の顔      東 京  馬場 佳世

   みどり児は銀河の記憶握りしめ      宮 城  丸山千代子

   麦踏みのつづきのやうに消えにけり    埼 玉  岩淵喜代子

   ちんぽこをおまけに叩く天瓜粉      千 葉  菅谷 貞夫

   梅雨闇のフクシマ非常口がない      新 潟  北村美都子

   明日食う泥鰌と一夜共にせり       山 形  黒谷博楽子

   髪洗うたび戦争の匂うかな        千 葉  渡辺  澄

   草餅を食べて遠い遠いという       徳 島  油津 雨休

   定年も失業もなく麦を踏む        佐 賀  川原 幸夫

   みどりごの真水のやうな汗ぬぐふ     千 葉  千葉 信子

   折鶴の折るが祈ると読めて夏       三 重  岩田 典子

 

<佳作賞> 

   けむりにも鬼にもなれず豆を撒く     宮 崎  永田タヱ子

   てのひらは怒りの器八月来        埼 玉  茂里 美絵

   青空は寂し天皇籾を蒔く         愛 知  木村 晴代

   麦秋の肩の重さを午後という       千 葉  黒澤 雅代

   平和しかしらずに生きて遠花火      香 川  奥田 峰子

   立ちあがるものに馬の子みちのくは    東 京  遠山 陽子

   無駄な灯を消してひとりの終戦日     宮 城  永野 シン

   踊りつつ踊りの輪より外れけり      大 阪  柿谷 有史

   満月の裏は能面かもしれぬ        東 京  尾﨑 裕子

   八月や磨きつづける太柱         石 川  飯田 順子

   昭和とは八月のこと父よ兄よ       神奈川  田畑ヒロ子

   春光を編む手の如き手話の指       神奈川  大月 桃流

   福島に生きるためまた種を蒔く      福 島  唯木イツ子

   八月を片付けきれぬ父がいる       秋 田  加藤 昭子

   入口も出口もに鳴かれけり       福 岡  三舩 煕子

   昭和まで遊びに行つた捕虫網       埼 玉  田口  武

   八月や子を悼むため生きてゐる      広 島  藤本 陽子

   指切りをしただけ薔薇に触れただけ    北海道  江草 一美

   ゴキブリや人類こそが外来種       東 京  河西 久恵

   明け易の握り返さぬ手を握り       愛 知  大矢 節子

   人間を見飽きてしまふ水中花       茨 城  大野ひろし

   春立てり土偶に太き妊娠線        静 岡  貫名ともみ

   国籍は月と言い張る兎飼う        山 口  堀口 孝子

   歩むとき己が影踏む原爆忌        埼 玉  渡辺 智恵

   飛花落花誰も知らない死の順序      京 都  上藤おさむ

   赤ん坊の居ない村です雪が降る      新 潟  近藤 美好

   青空で眼玉を洗う秋の馬         長 崎  前川 弘明

   ひとの世に遠く暮春の象がゐる      新 潟  高井 年子

   盆の僧除染土に手を合せゆく       福 島  鈴木 正治

   欠伸ですかいいえ蝶が生まれます     北海道  小林 ろば

   女学生の遺品に鏡沖縄忌         千 葉  林 みさき

   夏蝶に触れて老人光りけり        栃 木  中村 克子

   敗戦日墓碑となつても整列す       千 葉  をがはまなぶ

   椅子ふたつ墓のやうなる晩夏かな     広 島  石川まゆみ

   原爆忌こけしに手足なきちから      千 葉  重田 忠雄

   海見えてより遠足の騒ぎだす       愛 知  大矢 節子

   春の海いまだ還らぬ骨を待つ       山 口  たむらのぶゆき

   終戦忌母生き抜くを決めたる日      東 京  松隈しのの

   巣燕のことを介護の引き継ぎに      栃 木  伏木 ケイ

   白雨來て英靈のみな立ち上がる      青 森  泉 風信子

   冬座敷広くて坐るところなし       千 葉  中里  結

   婆がきて案山子の向きを変へにけり    長 野  阿部仲童子

   田水張り空と親しくなる棚田       鹿児島  愛甲 敬子

   田作りを止せと言ふ子へ今年米      山 梨  宮澤 繁子

   すこし見て「歩兵操典」曝しけり     埼 玉  森田 公司

   なにもないことの贅沢夏座敷       愛 媛  三好 靖子

   オコツテハイナイカナシイ原爆忌     福 岡  鳥巣 徳子

   滝壺に着くまで水の形かな        宮 崎  服部 修一

   買いかぶりです私たんなるパセリ     千 葉  石井紀美子

   新しき戦後来ぬやう星祭         長 野  佐藤 由美