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■ 現代俳句協会からのお知らせ(What's New)


第65回現代俳句協会賞は前川弘明氏に決定 (2010.02.09更新)
協会事務局

第65回現代俳句協会賞は前川弘明(まえかわ・ひろあき)氏、 次席は渋川京子(しぶかわ・きょうこ)氏、前田 弘(まえだ・ひろし)氏に 決定いたしました。
『現代俳句5月号』に関連記事が掲載されます。


前川弘明氏の第65回現代俳句協会賞受賞の50句  
   	猪の眼の玲瓏なれば撃たれけり

   	霧を行く角もたずともかなしまず

   	オーボエを愛せり霧の河口にて

   	鵙日和まっすぐ古書店まで歩く

   	薄氷を壊して今日の来たりけり

   	春あけぼの金色の灯の電車くる

   	船笛やすずなすずしろ朝の家

   	水平線のように朝寝をしておりぬ

   	春立ちぬ逆立ちでもしてみるか

   	月射して全段の雛さびしけれ

   	花の雨ガス管に家つながれて

   	桜狩いつか死ぬ人ばかりくる

   	鳥帰る僧侶は自転車に乗って

   	花林檎ひと日の暮れの頬杖に

   	図書館に春雨の傘立てておく

   	うっとりと遮断機こえるしゃぼん玉

   	百千鳥ラジオ体操きよらかに

   	男香る夏のはじめの松林

   	不思議な木に近づいてゆくサングラス

   	泉辺にじいんじいんと哲学者

   	夏の馬川渉りくる鈴買いに

   	飛込みのながき一瞬雲の峰

   	金魚愛す白鳥となるバレリーナ

   	サッカー部向日葵のなか帰りけり

   	にんげんは尾をうしないて麦の秋

   	麦の秋はればれ燃えるもの燃やす

   	母上を殺めましたと洗い髪

   	ポストまでゆく香水とすれちがい

   	八月の水ぶっかける被爆坂

   	恐竜に見惚れ少年の夏すぎゆく

   	地下鉄に人は吸われて夏の月

   	おしろい花踊り子一礼して通る

   	黄金田の方へ曲がりし鼓笛隊

   	稲妻に横たわりたる花鋏

   	桃の実の暗がりの掌に熱かりき

   	曼珠沙華にも触れてエプロン乾くなり

   	釣瓶落し地球が落ちるのではない

   	虫すだく老人が寝にゆくあたり

   	大根を並べさみしいから叩く

   	錦秋が口癖のひと老いやすし

   	黄落や犬に曳かれて人あゆむ

   	大寒の銀行を出て笑いけり

   	霧の夜の劇団員の赤き口

   	鳥獣の檻を霰の鳴らすなり

   	帰る家ありて帰りぬ秋の暮

   	草原の火事音楽が燃えている

   	月光の虎をおもえば兄老いぬ

   	ファックスよりきし白鳥を灯にかざす

   	家族あり紅点として冬の薔薇

   	冬日美し芽吹きくるもの息つめて

       

◇第65回現代俳句協会賞受賞 前川 弘明(まえかわ・ひろあき)氏プロフィール

・昭和10年3月7日長崎市生まれ(74歳)。長崎市在住。
・昭和37年、「海程」創刊同人。
・昭和42年、現代俳句協会会員。
・昭和60年、「第17回九州俳句賞」受賞。
・平成 3年、「第27回海程賞」受賞。
・平成15年、「拓」創刊、代表。
・平成20年、西九州現代俳句協会会長。


◇句 集

『草の上の午餐』『柵の中の風船』『樹の下の時間』


◇選考委員氏名(五十音順)

安西 篤、大坪重治、桑原三郎、小檜山繁子、高野ムツオ、竹本健司、星野昌彦


◇表彰式

平成22年3月27日(土)午後3時より東京・上野「東天紅」にて開催の
平成22年度現代俳句協会通常総会席上にて。

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