現代俳句コラム

現代俳句コラム

母さんは夕焼を着て産んだ横須賀洋子
 夕焼に包まれての出産。出産の時刻は潮の干満に関係があるといわれるが、この句の出産は夕刻。
 気象上、夕焼の翌日は晴天になるといわれる。夕焼に包まれての出産には明るい明日が予告されているかのようだ。
 「夕焼を着て」というのは、具体的には、お産のときの服に夕日が当たって夕焼けを着ているように見えたということだろう。古来朝日が昇るのを見て身ごもったという伝説は少なくない。この句には、それらの伝説を想起させるものがある。

 
 
評者: 村井和一
平成20年10月30日