現代俳句コラム

現代俳句コラム

白露や無分別なる置所宗 因
 今月は古典作品。
 東京向島の三囲神社に句碑があります。露がところかまわず下りているというのです。しかし「無分別智」は、仏教の根本的な智慧です。そこに焦点をおくと、露がそれぞれ所を得て下りているという意味になりそうです。それより<露の身の置き所なし>という和歌的表現を逆転させたところがこの句の眼目でしょう。多重の意味の読み取れる作品です。宗因は、いわゆる談林派を起こした人です。  
評者: 村井和一
平成13年6月28日