現代俳句コラム

現代俳句コラム

体内の水傾けてガラス切る須藤 徹
 硝子を切る。切られた、その硝子の傷を見る。鋭くて、瞬間という形に見えたりする-その鋭利、その人間の動作・行動の一瞬間ということを寫生して、一句。わが身体・全身を傾けて硝子をきりりと切断する。わが体内の水、生き物の水、その水面を傾斜させて、硝子を断ち切る。生きている、その証しの水。その水・水面がゆらと動いて、きりりきりり。硝子という無機質を一線に。<生きる>ということの、鋭さなどを直感させて、この一句。
 
評者: 阿部完市
平成14年11月7日